エバーグリーン植物Q&Aは、「この植物って何?」に専門家がお答えするQ&Aサービスです。
2020年、新型コロナウイルスの影響でなかなか外に出にくかった一年でしたが、それでも密を避けながらたくさんの植物に出会う機会があったのではないでしょうか。
今年専門家陣が回答した質問数は6000件以上。ユーザーの皆様が質問して知りたかった植物がどんなものだったか、それをまとめてランキングにしてお伝えします。
「2020年みんなが知りたかった植物ベスト10」を発表します!
それでは10位から!と行きたいところですが、今年も質問数同数の植物が7つ並んでしまいました。
同率8位の7つは、アカメガシワ、ユウゲショウ、キバナコスモス、サルスベリ、シラー ペルビアナ、シラー カンパニュラータ、そしてマーガレットです。
アカメガシワ |
トウダイグサ科 アカメガシワ属
Mallotus japonicus
赤みを帯びた長い葉柄が特徴的なアカメガシワがランクイン。別名ゴサイバ(御菜葉)が表すように、その昔はこの葉に食物を盛っていたのだとか。雄株と雌株が違う雌雄異株で、花後に破裂して出てくる種子は黒色です。
ユウゲショウ |
アカバナ科 マツヨイグサ属
Oenothera rosea
道端に可憐に咲いているピンクの花を見たらそれはユウゲショウかもしれません。オシロイバナの別名に「ユウゲショウ」があるので、特にアカバナユウゲショウとも呼ばれますが、中には白花のユウゲショウもあるのでちょっとややこしいユウゲショウ。さらに夕化粧といいながら昼間に咲きます。昨年のランキングでは2位でしたが今年は8位となりました。
キバナコスモス |
キク科 コスモス属
Cosmos sulphureus
キバナと書きながらも、投稿される花色はオレンジのものが多いキバナコスモス。夏から秋にかけて散歩道を華やいでくれます。ワサワサと咲くキク科の姿と花弁のギザギザ具合でオオキンケイギクと間違えやすいかも?葉の生え方をチェックしましょう。
サルスベリ |
ミソハギ科 サルスベリ属
Lagerstroemia indica
百日紅と書く漢字にあるように、ほんとに100日とも思える長い期間、夏の暑い間に花を咲かせます。また読みのサルスベリは樹皮がなめらかで木登りがうまいサルでも滑ってしまうのでこの名がついたのはよく知られています。各地の公園でもたくさんの人がこの花をみに来園します。
庭の植木としてしばしば植えられている百日紅ですが、背の低い植栽として矮性のタイプのものも売られています。
シラー ペルビアナ |
キジカクシ科(クサスギカズラ科) オオツルボ属
Scilla peruviana
シラーと名の付く花が2つ続きます。まずはシラー ペルビアナ。Scillaはオオツルボ属のこと。別名でオオツルボ (大蔓穂)とも呼ばれるこの花は、茎の先に柄のついた数十もの花をつけてこんもりと花束やピラミッドの形を作るように咲き誇ります。一つ一つの花も6枚の花びらが星のように開き、青紫色ながら華やかな装いで魅せてくれます。
ちなみに名前に反して南米ペルーには自生していなくて元々地中海沿岸部の花なのだそう。
シラー カンパニュラータ |
キジカクシ科(クサスギカズラ科) ツリガネズイセン属
Hyacinthoides
こちらのシラー カンパニュラータは、本来Hyacinthoides hispanicaという種のことなのですが、日本で流通しているのは、Hyacinthoides hispanicaとHyacinthoides non-scriptaが混ざったものが多いのだそう。これらを総称しての名前です。下向きに連なりぶら下がる花が特徴的。
青紫のイメージが強いシラー カンパニュラータですが、今年の質問では白花やピンクのものも投稿されました。
マーガレット |
キク科 モクシュンギク属
Argyranthemum
モクシュンギクのほかに、モクシュンギクとシュンギクやハナワギクなど近縁の種を交配させた園芸品種を総称してマーガレット。写真のようなシンプルなマーガレットもあれば、ポンポン咲きと呼ばれる丸っこい形をしたものや八重咲き、小輪のものなど多様な品種が作られています。
さあ、次のページではいきなり順位は飛んで第3位の発表です。
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