エバーグリーン植物Q&Aは、「この植物って何?」に専門家がお答えするQ&Aサービスです。
今年もたくさんの方から植物写真とともに数多くの質問が届きました。この一年で専門家陣が回答した質問数は3000件以上。その中でも一番質問が多かった植物のベスト10を発表します!
まずは10位から発表と言いたいところですが、質問数が同数の植物が6つも並んでしまいましたので、いきなりですが同率6位が6種となりました。
その5つは、オキザリス、ムラサキクンシラン、アベリア、キクイモモドキ、シモツケ、サフランモドキです。
オキザリス |
カタバミ科 カタバミ属
Oxalis
カタバミ属のオキザリス。以前にクローバーとカタバミの違いをご紹介したカタバミと同属の植物。たくさんの種類があり、咲かせる5枚の花弁の色は様々。育てやすさからもグラウンドカバーなどにも使われています。
ムラサキクンシラン |
ヒガンバナ科 ムラサキクンシラン属
Agapanthus africanus
属名をとってアガパンサスと呼ばれている和名ムラサキクンシラン。公園などでふと咲いているのを見かけて、「これなんだろう?」ってなること間違いなし。彼岸花にも似た淡い紫の細長い花が球とか傘のように連なる姿(散形花序と言います)に魅せられた方も多いのでは?
そう、彼岸花と同じヒガンバナ科の花なんです。似てて当然ですね。ダイヤモンドリリーと呼ばれてるネリネも同じヒガンバナ科でその姿はよく似ています。
アベリア |
スイカズラ科 ツクバネウツギ属
Abelia ×grandiflora
アベリアのことは知らなくてもこの全景を見ると、「あー、あれか。」となるのではないでしょうか。緑の葉と紫がかった萼片とその先に付いたラッパ状の白い花。
和名は萼が羽子板の羽根のような形しているのでハナゾノツクバネウツギ。庭や生垣、緑化によく使われます。
キクイモモドキ |
キク科 キクイモモドキ属
Heliopsis helianthoides
日の光に向けて黄色の花を咲かせるキクイモモドキ、キクでイモでモドキ。もう何だかわかりませんね。
同じキク科ですが、別属(ヒマワリ属)のキクイモに花が似てるけど塊茎、いわゆる「イモ」ができないのでこの名前に。一方のキクイモは菊に似た花をつけて芋ができるということでその名前になりました。ややこしいですね。
シモツケ |
バラ科 シモツケ属
Spiraea japonica var. japonica
シモツケって言われてもあまり植物のことがわからない方には聞き慣れない名前かもしれませんが、同属にコデマリやユキヤナギなどがあります。「下野」という漢字の通り、下野国で最初に発見されたそうな。
花のつき方は厳密には違うのですが、平たく付いた紫陽花かと一瞬思ってしまう、沢山の小さなピンクや白の花を付けるシモツケです。
そして次は、最後の同率6位、サフランモドキです。
サフランモドキ |
ヒガンバナ科 サフランモドキ属
Zephyranthes carinata
こちらも「モドキ」系です、サフランモドキ。料理にも利用されるサフランによく似た花をつけますが、サフランが紫に対して、サフランモドキは鮮やかなピンク色をしています。また、葉や鱗茎(地下茎)に有毒成分が含まれているので食べないように気をつけましょう。
さあ、次のページでは第5位の発表です。
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