[ラムズイヤー]庭の子羊:ラムズイヤー|シソ科イヌゴマ属|エバーグリーン

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暑さがかなり厳しくなってきて、植物たちも夕方になると葉が萎れてつらそうな面持ちに見えるようになってきました。スイレンハスなどの水生植物のツルっと水を弾きやすそうな葉っぱやススキレモングラスの細い風通しの良さそうな葉っぱは、どれも涼しげで過酷な季節を乗り越えられそうですが、細かい毛がびっしり表面にはえた葉の植物など、そんな毛皮を着ていて大丈夫? と声をかけてやりたくなります。

紫色の小花が可愛い

紫色の小花が可愛い

 

そんな毛むくじゃらでも、辛抱強く夏を乗り越えてがんばる植物を紹介しましょう。「ラムズイヤー」はシソ科の多年草で、細かい白い毛が密集した葉っぱは銀色にも見えます。触ってみるとビロードのような柔らかさがあり、なにか小動物を撫でているような気分になります。この手触りが「子羊の耳」を意味する名前の由来です。日本名はワタチョロギ。漢字では綿草千代呂木と書きますが、やはり白い毛が印象的なことから名付けられたようです。

香りのする匙(さじ)状の葉っぱを生のまま、若しくは乾燥させて動物の毛並みに見立ててクラフトに使ったり、スワッグやリースなどに色のアクセントとして使用するのに向いています。毛は乾燥させても抜けることはありません。初夏に咲く薄紫色の小さな花は葉っぱと同じように白い毛に覆われた花茎の先に穂状に咲きあがります。花が半分以上咲き切る前に摘み取って乾燥させるとドライフラワーになります。

葉っぱの表面の細かい毛並みが小動物!

葉っぱの表面の細かい毛並みが小動物!

 

多湿には弱いのですが、水はけのよい土か場所や木陰が広がるところに植え付けてやり、株が混みあってきたら株分けしてやると夏越しが可能です。もちろん冬の寒さにも耐えます。株分けのほかに、挿し芽でも容易に殖やせます。根が張ってくれば地植えの場合、雨水だけで足りるので手間がかかりませんから育てるには気軽な植物です。ただし、酸性土壌は苦手なので、土を作る時に苦土石灰を混ぜ込んでおくと良いでしょう。

お庭に子羊がいると思いながら過ごすの、ちょっと楽しいですよね。1匹(?、1株)いかがでしょうか。

水戸市植物公園
宮内元子
2023年7月10日

 

水戸市植物公園 宮内元子)


紫色の小花が可愛い