サトイモで作る「ハワイ風モチ」
ハワイの代名詞的な食材の一つにタロイモ(ハワイでは「カロ」と呼称)があります。このタロイモ、実は日本のサトイモにとてもよく似ています。それもそのはず、タロイモはサトイモ科で根茎を食べることができるイモの総称名なのです。
ハワイではこのタロイモから作った「ポイ」と呼ばれるものがソウルフードとなっています。そこで今回は、サトイモで作る簡単ポイをご紹介します。
古来ハワイアンの大好物、カロを蒸した「ポイ」
ハワイのカロと同じサトイモ科のサトイモ、というワケでこのサトイモを使って、自宅でかんたんに作ることのできるポイをご紹介します。
まず、用意するのはサトイモ。
適量を用意し、よく洗って土を落とします。
次にサトイモを蒸す、茹でる、もしくはラップに包んでレンジでチンするなど、加熱してやわらかくします。
やわからくなったサトイモの皮は手でスルリとむくことができます。
皮をむいたらボウルかすり鉢に入れて、粘りがでるまですりこぎなどでモチ状の粘りがでるまでたたけばできあがりです。水分が少ないと感じたら、水を少し足しながらモチ状にします。
ちなみに伝統的なハワイのポイは、カロを地中に掘った穴に石を敷きつめて造ったイムと呼ばれるかまどで蒸し焼きにしたものを、皮をむきパパ・クイアイと呼ぶ木のボードにのせて、ポハク・クイアイと呼ばれる石製の打ち器で潰しながら作ります。
なめらかなペースト状にするのは時間がかかるため、昔はポイは男性が作るものとされていたのだそう。そして出来上がったポイはそのまま食さず、数日間発酵させ酸味が出てから食べるのがハワイ流なのだとか。
ハワイのポイは供物としても重要
ハワイではポイは神聖な食べ物のひとつです。これは、ハワイアンの命を繋いできた神聖な植物であり、ハワイの神話上では女神ホオホクカラニと関係し、タロイモを人間の兄として慕った歴史があるからだとされています。
ちなみに、日本でもサトイモのことは地方によっては親株の周囲に小さなイモを作ることからコイモ(子芋)と呼び、子孫繁栄の願いを込めてお正月おせち料理には使われます。旧暦10月の最初の亥の日に作られ亥の神様に捧げる亥の子餅ですが、地方によっては原料にサトイモを使うところがあるとされています。
遠く離れたハワイと日本
ハワイに行くとなぜかなつかしい風を感じる。遠い国なのに身近に感じる……。
それはもしかしたらこの伝統食「ポイ」とも関係するのかもしれませんね。
(写真・取材・文/グリーンアドバイザー・開運文様研究家、ハワイスペシャリスト検定(上級) ふじえりこ)