今回は多肉植物の『ハオルチア(ハオルシア)』の魅力についてお話しさせていただきます。
- ハオルチア
ハオルシアとも呼ばれます。南アフリカのごく限られた地域に分布する多肉植物です。葉姿や色彩など変化に富んでいるのでいろいろと集めて育てたくなります。株の大きさに比べると根が太く、根元から子株を吹きます。
2つのタイプ
葉っぱが固いタイプ(以下、硬葉系)と葉っぱが軟らかく透明な「窓」をもつタイプ(以下、軟葉系)があります。
硬葉系は表面に白いしましまや細かい斑点が入るものが多く、この模様の織り成す表情のバラエティーさが魅力的です。軟葉系に比べると見た目はおとなしいですが、味わいと深みを感じます。
軟葉系の葉っぱは、丸みがあったり葉の上面がすっぱり切られたように平らになっていたりと、さまざまな形があります。葉にできる「窓」もいろいろな形があります。「窓」には宝石のようなキラキラした輝きがあり、目を惹きます。
栽培のポイント
春と秋に生長し、夏と冬はゆるやかに生長するか止まるかです。生育期は土が乾いたらたっぷりと水を与え、休眠期は水やりの回数を減らして乾かし気味にします。
春から秋はベランダの雨の当たらない場所などに置きます。冬は室内の窓辺など明るい場所が適しています。
明るい日陰で育てると葉の緑色も鮮やかで、元気に育ちます。強い日射しを浴びると、全体的に赤みを帯びます。
いろいろなハオルチア
ハオルチアのなかでも特徴的な種類を紹介します。葉が赤く見えるのは、冬の低温で紅葉しているからです。
- “十二の巻(硬葉系)”
ポピュラーでよく見かける種です。非常に丈夫で育てやすく、子株をよく吹いて大株に育ちます。シマウマのようなしましまが目立ちますね。
- “鷹の爪(硬葉系)”
短い葉っぱが塔のように積み重なる種です。株は長く伸びて斜めに傾き、最終的に横に寝て先端だけが立ち上がります。
- “竜城(硬葉系)”
三角形の葉を三方向に出して伸びていきます。日当たりの良い低温下では、黒っぽく色づき味わいが増します。葉はかなり硬く、トゲほどではありませんが先端に触れるとちくちくします。表面はザラザラした革のような質感です。
- “オブツーサ(軟葉系)”
透明感と光沢のある丸い葉がかわいらしく、軟葉系でもよく出回っている種です。
さいごに
少し硬葉系にかたよってしまいましたが「ハオルチアの魅力」伝わりましたか?
園芸店やホームセンターに行くと、さまざまな多肉植物の中にほぼハオルチアもありますので、一度実物を手にとってご覧になってください。
(ヤサシイエンゲイ 小林昭二)
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