ゼラニウムとの出会い
もうずいぶん前のことになりますが、私が初めて海外に旅をしたのは、8月の上旬のドイツやスイスなど、ヨーロッパでした。
その旅で何より印象深かったのが、家々の窓辺を飾る赤い花のゼラニウム。窓辺という窓辺に鉢やプランターに植えられた赤い花のゼラニウムが飾られた風景が忘れられません。窓辺という窓辺に花を飾られている理由は、ヨーロッパの多くの地域では、子どもの頃から花を育てて飾るように教えられ、それが習慣になっているからなのだそうです。
ややこしく変わった「ゼラニウム」の呼び名
ゼラニウムは、日本では天竺葵(テンジクアオイ)とも呼ばれていますが、名前に関しては奇妙な現実があります。というのも、一般的に「ゼラニウム」と呼ばれているものは、分類学では、フウロソウ科で、以前はゼラニウム属にまとめられていたものです。しかし現在は、フウロソウ属とテンジクアオイ属に分けられており、園芸分野ではテンジクアオイ属(Pelargonium)のものを「ゼラニウム」と呼び、フウロソウ属(Geranium)のものはゼラニウムと呼ばないという、なんともややこしい状況なのです。
ヨーロッパの窓辺を飾る花は、園芸分野で呼ぶところの「ゼラニウム」のこと。南アフリカ原産で、南アフリカを中心に熱帯アフリカ、シリア、オーストラリアなどに約280種の種類があります。寒さには少し弱いですが、育てやすく、春から秋まで長く花を楽しむことができますので、初心者にもオススメの花木といえるでしょう。
馴染み深い花
ヨーロッパでは、スイスのベルンで「ゼラニウム」市が開催されますし、各家庭に配られる都市もあるようです。日本でいえば朝顔市やホオズキ市というイメージで、いかに「ゼラニウム」がなじみ深い花なのかがわかります。
さて、日本では「ゼラニウム」は、園芸店やホームセンターの園芸コーナーなどで、手軽に手に入れることができます。
3つのお世話ポイント
最後に、「ゼラニウム」を世話するポイントを3つあげておきます。
- 日当たりがよく風がよく通る場所で栽培する
夏の西日は避ける。マイナス5度以下になる場合は室内で、マイナス5度以上であれば軒下でも越冬可能です。
- やや乾燥気味に育てる
ハンギングや、鉢植えに向いています。水をやりすぎると根腐れを起こしやすいので、冬は枯らし気味くらいがよいかもしれません。
- 枯れた葉や花は、こまめに摘み取る
見栄えはもちろん、枯れた葉や花がかびて起きるカビ病の予防のためにも重要な作業です。
ヨーロッパの家々のように、ゼラニウムの赤い花で窓辺を飾ってみてはいかがですか?
- ゼラニウムの花言葉:「尊敬」「信頼」「真の友情」
エバーグリーン編集部オススメサイト
- 窓辺は花で飾るのが“習慣”なのですね!
窓辺の花はなぜきれい?(フグの女王様ホームページ・一点豪華 足で歩くスイス)
- ゼラニウムの香りは、女性に優しい香り
- 香りの良いゼラニウムは、種類が違う
- 好きなタイプのゼラニウムを育ててみましょう
- ゼラニウムの呼び名についても書かれています
(エバーグリーン編集部 愛垣)
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