[イワタバコ]日陰の岸壁にひっそり咲く野草「イワタバコ」|イワタバコ科イワタバコ属|エバーグリーン

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私が森林セラピーガイドをしている西沢渓谷を代表する野草の一つに「イワタバコ」があります。

日陰の岩壁などに生える多年草で、6月から8月にかけて可憐な花を咲かせます。ここ西沢渓谷では7月中旬から花を楽しむことができます。西沢渓谷の森林セラピーコースでは、「イワタバコ」は、後半のトロッコ道に多く分布していますが、渓流コースのところどころでも見かけることもあります。

西沢渓谷を代表する野草「イワタバコ」

西沢渓谷を代表する野草「イワタバコ」

タバコの葉に形が似ていることから「イワタバコ」の名が付きました

タバコの葉に形が似ていることから「イワタバコ」の名が付きました

 

「イワタバコ」は、一般的には1~2枚の葉、そこにさらに小さい葉が付くこともありますが、この葉がタバコの葉に似ていることにその名は由来しているそうです。

花茎は10~30㎝程で、2~30個の花を付けます。萼は白色を帯び、深い5裂(4~6㎜)の星形です。多くの花冠は直径1.5㎜ほどの紅紫色ですが、まれに桃色や白色の花もあるようです。西沢渓谷で白色の「イワタバコ」の花を見つけた方には幸運が訪れるかもしれませんよ。

星のようにも見えますね

星のようにも見えますね

 

他にも、根茎に褐色の長毛がある以外は無毛であること、冬は葉が皺のある拳状に堅く巻いて包み越冬するなどの特徴があります。

目で見て、匂いを嗅いで、触って、「イワタバコ」を実感して

目で見て、匂いを嗅いで、触って、「イワタバコ」を実感して

 

森林セラピーは、人間が持ち合わせている五感を開いて身体全体で森を感じることによって、我々人間も自然の中で生かされていることを実感しながら癒し効果を得ることです。

従って、森林セラピーガイド゙は、「お客様の五感が早く開き」「お客様自らが森の持つパワ-や神秘等を感じ取れる」ように、何気なく導くことを最も重要としています。その点がガイドの説明を主体としがちな自然観察や通常の観光とは大きく異なるのです。

 

さて、人間の五感の一つには視覚がありますが、この西沢渓谷でも、数多くの場所で目を楽しませてくれる景観が待っていることはいうまでもありません。今回ご紹介した「イワタバコ」も同様です。

しかし、現代人は視覚を酷使しているといわれている今だからこそ、森林セラピストと一緒に、それ以外の聴覚・嗅覚・触覚・味覚、及び身体全体を使って 自然豊かで神秘的な森にひたってみてはいかがでしょうか?

 

「イワタバコ」はあまりにも小さくて見過ごしてしまうかもしれませんが、ゆっくり歩きながら、その微かな香りを体験したり、傍にある苔などに触れたりしながら、西沢渓谷の森のパワ-をもらって十分に癒されていただければと思います。

 

山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))

星のようにも見えますね