初めまして! 森林セラピーガイドの四十物治夫(あいものはるお)です。
ところで、皆さんは、「森林セラピー」という言葉を聞いたことがありますか?
「森林セラピー」とは、「森林浴」の効果を科学的に解明し、こころと身体の健康に活かそうという試みのこと。私が活動する山梨県では、西沢渓谷森林セラピー®基地、乙女湖乙女湖ロード、フフ山梨巨峰の丘ロード、万力公園万葉ロードの4カ所で、森林セラピーを体験していただくことができます。
ここでは、森林セラピーガイドをしているときに目についた西沢渓谷の四季折々の野草や樹木をご紹介していこうと思います。
1回目は、「ギンバイソウ」です。
「ギンバイソウ」は、関東以西から九州に分布し、花期は7月から8月。花序は頂生(茎や枝の先端に花がつくこと)して、10から20の花からなりますが、当初は苞に包まれた球状です。また、両性花(1つの花に雄しべと雌しべをそなえた花)で、径は2cmほどの白梅花状です。その周りに中性花(装飾花/雄しべ・雌しべが退化して種子が生じなくなっている)がついています。
また、「ギンバイソウ」は、ユキノシタ科ギンバイソウ属に分類されていましたが、葉っぱが、アジサイに似ているため、エバーグリーンでも採用している最近の分類体系では、アジサイ科に分類されています。
「ギンバイソウ」は、蕾でも、葉っぱは先端が浅裂し、縁には先が芒状となる鋸歯となる特徴があるため、見分け易い野草です。
ただし、自生している場所が少々見つけ難いため、ひとりで歩いていてもなかなか見つけることができないかもしれません。もし見つけられたときは、姿形だけでなく、ぜひこの野草がどんな香りがするかも試してみてください。きっと新しい発見がありますよ。
「森林セラピー」では、参加しているお客様から尋ねられた場合以外は、あえて野草や樹木等の名前や説明は控えています。なぜなら、「森林セラピー」では、普段使われていない嗅覚/触覚/聴覚/味覚などを、お客様自らが気付かれるように導いているからです。
自然のなかで、本来人間が持っている五感・体感が開き、結果的に癒し効果が得られ、リラックスできるように案内するのが、私たち森林セラピーガイドの役割なのです。
野草や樹木等に興味をおもちのお客様が、気付かれていないと判断した場合には、「あそこに綺麗な花がありますよ!」と言うのではなく、黙ってその方向に目線を向けるのです。
そうです! 視覚の場合でも、お客様が自ら気付かれるようにすることが森林セラピーガイドの大切な役割なのです。
渓谷沿いのコ-スなので清涼感はもちろんのこと、深い森のパワーも十分に秘めています。この夏、森と渓流の癒し効果を受けながら、珍しい貴重な野草・樹木を探してみてはいかがですか?
エバーグリーン編集部オススメサイト
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))
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