チューリップの花が次々に開花して、ラナンキュラスもヒヤシンスも満開です。秋に植え付けた球根植物が計画通りに咲くと、なんだかとてつもなく大きなミッションをやり遂げたような気分になるのは、私だけでしょうか?
さて花を楽しんだ後は、球根をどう処理すればいいのかが気になるところ。せっかく選んで購入した球根たちですから、来年も楽しみたいものですね。
翌年も良い花を咲かせるような球根にするためには、植物の生育サイクルに合わせた管理を行い、さらに適切な時期に土から掘り出して貯蔵することが重要になります。球根植物は、活動期に発芽・生長・開花して葉で光合成を行うと作りだした栄養分を球根に蓄え、休眠期に地上部が枯れるというサイクルで生育しています。
球根植物の種類
春に植えて初夏から秋の間に花を楽しみ、冬前に地上部が枯れて休眠する球根植物を「春植球根」と呼び、代表的な植物としてダリア、カンナ、グラジオラス等があります。
夏に植えてその年の秋に花を楽しみ、花の後に葉っぱが出てくるタイプで開花までのサイクルが極端に短いものを「夏植秋咲球根」と呼び、ネリネやマンジュシャゲが有名です。
秋に植えて冬を越し、翌年の春に開花するチューリップやヒヤシンス、スイセン等を「秋植球根」と呼びます。
球根の管理の仕方
どの球根植物も、開花期の間から球根にしっかり栄養を貯蔵させるために施肥を行いましょう。液体肥料を水の代わりに与えるか、化成肥料を与えると良いでしょう。また花が萎れてきたら、種子を作らせないように早めに摘み取る必要があります。種子を作ろうとすると栄養分が種子へ流れてしまい、球根に十分に蓄えられえなくなってしまいます。
花が咲き終わったら…
花がなくなってしまったら早く次の植物に植え替えたいところですが、葉が枯れるまでは我慢! 葉がしっかりと光合成を行い栄養分が貯蔵されることで次に良い花が咲く球根になるからです。
葉が枯れて球根が充実したら土から掘り出します。土がついたまま陰干しし、しっかり乾かしてからざっと土を落とします。球根の周りを覆っている茶色い皮は保護材の役目なので皮を剥かないでください。皮を剥いてしまうと、球根同士が擦れ合って傷付きそこから病気が発生するもとになったり、エチレンが生成されて花芽が消えてしまったりすることもありますので注意が必要です。
網袋のような蒸れない袋に入れて通気性の良い日陰に保存してください。乾燥させると弱ってしまうユリ等の球根は、掘り出した後、軽く湿らせたバーミキュライトやおがくずに埋めて冷暗所で保存します。
世界各地のさまざまな気候や環境に適応して繁殖している球根植物。栽培方法を工夫してやれば日本でも多種多様な球根植物の花を楽しむことができます。ぜひお気に入りの球根植物を見付けて、栽培してみてください。
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