[キヌガサソウ]日本固有の貴重な野草の一つ〜キヌガサソウ|シュロソウ科キヌガサソウ属|エバーグリーン

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今回はあまり聞き慣れないと思われる「キヌガサソウ」を紹介します。

シュロソウ科キヌガサソウ属の多年草で、本州(中部地方~東北)の日本海側に分布し、亜高山帯に生えます。西限は(石川県と岐阜県に跨る)白山、南限は(長野県と静岡県にまたがる)赤石岳といわれていますが、雪の多い地域の野草です。南アルプス連峰ではタイミングが合わず、未だ写真に収められていません。

キヌガサソウ群生(9月上旬)

キヌガサソウ群生(9月上旬)

 

筆者が初めてキヌガサソウに出合ったのは約20年前、白山でした。
黄色みを帯びた花(8月中旬)

黄色みを帯びた花(8月中旬)

黄色みを帯びた花(8月中旬)

淡緑色の花( 9月上旬)

淡緑色の花( 9月上旬)

 

その後、北アルプスの笠ヶ岳や槍ヶ岳(槍平、鏡平など)でも出あいました。いずれも傾斜の緩やかな、水気を多く含んだ地形にある木立の縁や草地などに生えていました。エバーグリーン植物図鑑の写真の花は白色ですが、それは咲き始めに見られる色です。その後は上の写真の2枚目、3枚目の色になり、最後は上の写真のように淡緑色に変化します。

独特な野草で、広がった葉っぱの直径は60cmにもなります。最初の出合いの感想は、「何だこれは!?」という驚きでした。もともと植物に関心が薄かった自分にとって、この種の野草は衝撃でした。

秋の白山でこの「キヌガサソウ」の実を食べる機会がありましたが、甘くて美味しかったです。暗紫色に熟した液果でしたが、口に入れる前に名前を聞かされたら躊躇したかもしれません。この花から実が想像できず、食べられるとは思ってもいませんでした。

自生する地域が限定されており目立たないので見落としがちですが、注意深く探すと見つかるかもしれません。山歩きの新しい楽しみの一つに加えてはいかがでしょう?

 

山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))


 

淡緑色の花( 9月上旬)