沖縄が平年よりも10日ほど遅い梅雨明けだったということは、本州に夏が訪れるのも今年は少し遅くなるかな? と、このところ毎日のようにカレンダーと天気予報とにらめっこをしてしまいます。全国各地での豪雨による災害に胸が痛みますね。これ以上被害が起こらないことを祈るばかりです。
雨が降り気温が高くなると植物は一気に生長しますが、なかでも中南米原産のハブランサスは雨が降ると一斉に蕾が上がり開花する植物で、「レインリリー」の別名があるほどです。
日本に大正時代初期に渡来したハブランサスは球根植物です。生命力が強く、葉が4枚形成されると花芽が分化するので一年のうちに何度も開花しますが、花は一日花です。よく似た花にゼフィランサスがありますが、違いはゼフィランサスが上向きに花を咲かせるのに対し、ハブランサスは横向きに花を咲かせます。遠目にもピンク色や白色のラッパ型の花がずらっと並んで咲いているのはファンファーレが鳴り響くように壮観なので、梅雨時期のじめじめした気分を吹き飛ばしてくれそうです。
ハブランサスは前年の株が活動している間に次の年ための新しい根が生長するという特徴があります。ということは……植えっぱなしにしたほうがよく育つということです! なんと手間いらずの良い子でしょうか。ただし、長年栽培していると花付きが悪くなってくるので、鉢植えの場合は特に5年に1回の目安で株分けするとよいでしょう。
常緑植物なので植替え時期が分かりにくいですが、3月中旬から4月にかけて葉をつけたまま掘り上げ、株を割るように球根を分けてください。球根を1つずつ離して植え付けるよりも、まとまった場所に集めるように植え付けたほうが一斉に開花するので見ごたえがあります。関東以西では屋外で冬越しが可能ですから、ちょっと空いている場所に植え付けておけば増えていくのでおもしろいものです。地植えの場合は雨水だけで十分成長しますので気にかけて水やりをする必要もありません。そんな手間いらずのハブランサス、お庭の仲間にいかがでしょう。