食用として改良された「ダイオウグミ」を紹介します。ビックリグミともいいます。
グミ科グミ属の落葉小高木で、ナツグミの仲間のトウグミ(唐茱萸)が果樹・鑑賞用に改良されたものです。ナツグミとトウグミは北海道渡島半島から本州・四国・九州に分布し低地から低山帯に自生します。写真は、山梨市内里山の「ダイオウグミ」です。
グミは日本国内で15種類ほど自生しています。ナツグミ・トウグミの萼筒の長さは8mm前後ですが、このダイオウグミのそれは優に1cmを超えます。上の花の写真に写る指と比べるとその大きさがわかります。果実(偽果)ははじめ緑色ですが、次の写真のように長さ2cmを超える大きさに成長した後、6月には赤く熟します。柄が長く伸びて吊り下がるのでよく目立ちます。
グミは近年の健康志向も手伝って注目されています。ビタミンE、βカロチン、リコピンなどが豊富に含まれており、抗酸化・解毒作用が働くので生活習慣病の予防や免疫力向上効果が期待されています。ジャムやグミ酒など、いろいろな利用法があるようです。
森林セラピーではそのまま生食です。豊かな自然の恵みをそのままいただくことにしています。最近の方はグミと聞くとお菓子のグミをイメージされるようで、生で食べられることに驚かれ、食べた後は全員が『初めて食べたけど新鮮でおいしい!』とおっしゃいます。
花の香りは弱く、葉っぱの香りにも気付く方は少ないですね。この種のグミは触覚がおもしろいと思います。葉の表裏や花柄に付いている細毛(時期が来ると落ちる)の手触りの違いが楽しめます。葉っぱは写真のように表は緑色ですが、裏は銀色を帯びています。黄葉すると表が黄色で裏が金色に変ります。視覚も楽しませてくれる樹でもあります。
ウォーキングや散歩などで幸運にもグミに出あうことができたときは、持ち主に了解を得たうえで、味見や手触りなどを楽しんでください。新しい発見があるでしょう!
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))
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