「危ない山菜は紹介しないように!」と編集部より釘を刺されている筆者……あたりまえですよね(^^; そこで、今回はスーパーの野菜売り場で見慣れない野菜を発見したので番外編として食レポしたいと思います。
ウルイって? それは?
今まではスルーしていたのですが、今回思い切って購入したウルイ。なんでも山形というか東北ではよく知られている山菜のひとつのようです。調べてみると、別名ヤマカンピョウ、ギンボと呼ばれているオオバギボウシ(トウギボウシ)という名の山野草でした。どうりでどこかで見たことがある葉のカタチでした。そして、初夏から夏には薄紫の涼しげな花を咲かせるとのこと。日本各地に自生し園芸種もあり、ホスタの名で知られている宿根草のひとつだったのはちょっと驚き。たしかに花の写真を見ると「あ、知ってるこれ」という植物でした。
ウルイはどんな味?
さて、園芸種としても育てることができる。庭でも育つ、それもちょっとジメジメした日陰などの難しい場所でもオッケーとなると、山菜としてではなくシェードガーデンなどでも上手に利用したいもの、と思いつつ今回は食材としての利用です。
山菜の多くはあく抜きをしないと食べることができないものも多いのですが、ウルイは生食もイケる! というので、まずは水洗いしてそのまま試食。クセがなくシャクシャクした感じと、ちょっとヌメっとした感じがいたします。もちろん、さっと湯がいて酢味噌で食べても美味しいとのこと。今回、筆者はザク切りして好みのドレッシングをかけていただくことにしましたが、なんともいえない、春を感じる味がしました。
ほかの食べ方は……
生食以外ですと「山菜といえばてんぷら!」ではないでしょうか。また、味噌汁、スープなどにも使うこともできます。“ぬめり成分”がありますが、これは水溶性食物繊維とのこと。胃腸の粘膜を保護し消化を助けてくれるので腸活にも役立つほか、サポニンも含まれているので疲労回復効果もあるとか。店頭では、茎が白くふっくらし葉先が鮮やかな緑色か黄色のものを選ぶようにしましょう。
ウルイはトウギボウシ
トウギボウシのギボウシは漢字で擬宝珠と書きます。擬宝珠とは日本古来の橋の欄干にあるネギ坊主の形をした飾りのことです。最後に、スーパーなどで購入する場合はいいのですが、山菜摘みなどの場合は毒草のバイケイソウ、コバイケイソウに注意を。これは、葉が広がると区別できますが、新芽のころがとても似ているそうです。山菜摘み経験者の方に同伴させていただくといいでしょう。
(グリーンアドバイザー ふじえりこ)