雪解けどきに見かける「ザゼンソウ」を紹介します。別名は「ダルマソウ」。
花期は3〜5月といわれていますが、雪解けどきに顔を出すので前年の積雪量など天候に左右されます。木陰にまだ雪が残っている頃から、雪解け水の傍の斜面や平地で目立ち始めます。写真のように、葉よりも先に花序が出て、その後、葉が出ます。最後の2枚の写真は長い柄が付いた葉で、長さ幅とも40cmの円心形に成長します。花茎は高さ10~20cm、仏炎苞は暗紫褐色(希に緑色)で 長さ20cm/径15cmになります。
2、3枚目の写真は山で始めて出合った「ザゼンソウ」ですが、第一印象はあまり良くなかったと記憶しています。花らしくなく、異様なたたずまいと悪臭のせいだったかも知れません。その後の調査で、花序部分が熱を帯びて雪を解かして出て来ること知り興味を覚えて、残雪の中の「ザゼンソウ」を探したことを覚えています(写真としては絵にならなかったですが)。
次の写真は、利尻岳の5〜6合目の斜面に生える「ザゼンソウ」です。木陰に残雪はありましたが、開花時期を過ぎており葉が大きく成長してほかの草も伸びています。周りに雪解け水がなさそうな急斜面にも関わらず健気に生きているの姿に元気を貰って、山頂を目指したことを覚えています。地面下にはきっと豊富な水分が含まれているのでしょう。
甲府盆地はあまり雪が降らず積もる量も少ないですが「ザゼンソウ」の群落が見られます。春の気配を感じる頃になると、何故か「ザゼンソウ」に会いに行きたくなります。
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))
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