秋草の代表である「アキノキリンソウ」を紹介します。 キク科アキノキリンソウ属の多年草で、日当たりの良い山地にふつうに見られます。北海道から九州まで、沖縄を除く日本全国に分布します。写真のように黄色い花が泡のように見えるので、別名をアワダチソウといいます。
茎の高さは35~80cmで上部には短い毛があります。茎の下部や中部の葉は長さ7~9cm、幅1.5~5cm卵形長楕円形で、基部は細くなって葉柄の翼につながります。縁は著しく刺に覆われます。
花期は8月中旬〜11月上旬で、直径12~14mmの黄色い頭花が散房状又は総状に付きます。長さ3~6mmの花柄には毛があります。
山歩きを始めたその昔、秋(9月中旬頃)の近畿の低山で最初に目を惹いたのが「アキノキリンソウ」でした。登ることに精一杯で、花を愛でる余裕はなかったのですが、この「アキノキリンソウ」だけは鮮明な記憶となって残っています。山梨県内の近場の山や西沢渓谷などでもふつうに見られますが、これからが本番です。最近では視覚以外にも、茎や葉の触覚や風に揺れる様子、揺らぎを楽しむようにしています。
同じ仲間の「ミヤマアキノキリンソウ」は 8月に高山で見られますが、良く似ています。その違いはアキノキリンソウより少し高さが低い、頭花が若干大きい、花が枝の先に密集することなどです。
また、晩秋に空地などに群生している背の高い黄色い花を見かけたことがあると思います。これがアメリカ原産の帰化植物「セイタカアワダチソウ」といって、同じ仲間です。
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))
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