和紙といえば、コウゾやミツマタなどが原料として有名ですが、日本中で増えすぎて厄介者扱いされることも多い「竹」から紙を作ることができるということをご存じでしょうか?竹から紙を作るのは、手間はかかりますが原料がシンプルなためか素朴な味わいがあります。
私の住む山口県萩市は、竹林問題が深刻な地域。竹林問題については、以前こちらに書かせていただきました。
竹を使った工芸品やさまざまな取り組みがあるなか、竹で紙を作る活動が行われていてお土産にもなっているのです。竹紙は独特の風合いがあり、ランプシェードとして使われているのを見たときは感動しました。
昨年から、竹紙作家TAKEGAMI垰山(たおやま)桂子さんの「竹紙キャラバン」という活動に参加しています。竹で紙を作る体験や大地や環境に関心を持っていただくことを目的にワークショップや勉強会などを行っています。 活動のなかから得た竹でつくる紙について、お伝えしたいと思います。
竹で紙を作る技術は、中国から日本に伝わったのではないかといわれています。中国の技術書などには竹紙の記述があります。「ちくし」と呼ばれていたようで、虫に強く、絵を描くのにも好まれていたそうです。
実際に竹で作る手順です。竹の種類は、真竹でも孟宗竹でも大丈夫とのこと。
1. 春ごろに若い竹を切って幹を20cmくらいにカットし、ポリバケツなどに入れて水につけ、蓋をして半年から1年くらい置いて発酵させる
発酵した竹は牛糞のような独特のにおいがして、つけ込み中に虫が発生することがあります。発酵が進んで線維が手でほぐれるくらいになったら、薄皮を取り除いてよく洗う。
2. 発酵が進んだ竹は繊維が柔らかくなり、「カニカマ」のような感じになります。
3. 洗った繊維をたっぷりの水に重曹を少し入れ、鍋で10時間以上煮る
4. 柔らかくなった繊維を木づちなどでたたく
5. 細かくなった繊維を水に溶かし、専用の木枠で紙漉きをすると竹紙の出来上がり
この写真は垰山さんのワークショップに参加して書いた子どもの夏休みの自由研究。素晴らしい体験ができました。
竹紙作家TAKEGAMI垰山桂子さんによる竹紙漉き体験の詳細はこちらをどうぞ。
https://www.hagi-tourism.com/program/mono/262/
(田舎暮らし イシダヨウコ)