あっという間に2020年になりました。今年は日本でオリンピックが開催される予定です。世界中から渋谷にやって来るおおぜいの人々を、植物園でもおもてなししたいものです。
みなさんの今年の抱負はなんですか。栽培に挑戦してみたい植物はありますか? 園芸店には、だんだん華やかな花苗も揃いはじめましたが、まだまだ気温は低く庭仕事には向かない時期です。そんななか、やらねばならぬこともある! それは、お正月の寄せ植えの分解です。
お正月の松竹梅や縁起物の植物の寄せ植えは、購入するときにはそれなりのお値段ですから、「このまま育てて来年も飾れるといいな」と思われる方も多いのではないでしょうか。今の鉢をそのままにして1年間栽培を続けるのも可能ですが、パンジーやビオラ等の一年草は、翌年まで栽培し続けられません。また、ナンテン・マツ・ウメなどの樹木類は、春になれば新芽が開き新しい枝もどんどん伸びてきます。また、スイセンなどの球根類も、小さい空間のなかではうまく分球出来ず、暑さで球根が痛む恐れがあります。
「もったいない!」と思われるかもしれませんが、寄せ植えは楽しむ時期を過ぎたら早めに分解して、まだ栽培できる株は単体での植え替えをお勧めします。タイミングは花ものの開花が終了した後です。ウメ・スイセンの花が散ってしまえば、作業の頃合いです。元の鉢から抜いて、痛んでいる根だけを取り除き、枝の広がりと同じくらいの大きさの鉢にそれぞれ移植してください。
単体で植え付けられることにより、ノビノビと根を伸ばし、必要な栄養素や水分を吸収できるようになります。次の冬にまた同じような寄せ植えを作りたいのであれば、元の樹形を壊さないように、こまめに剪定して枝を広げないように調整してやりましょう。1年間きちんと管理されて成長した株は、また次の冬に寄せ植えにするために、鉢から抜かれて根を切り詰められても大きなダメージを負いません。
来年のことを言えば鬼が笑うといいますが、園芸作業に無駄な仕事は一つもありません。来年のお正月のために、良い苗を育ててください。