今回は赤トンボが似合う「ワレモコウ」を紹介します。女性に人気の花です。日あたりのよい丘や、山地の草原で多く見られるバラ科ワレモコウ属の無毛の多年草です。
北海道~九州(沖縄県を除く)まで、全国に分布します。
茎は直立し、高さ30cm〜1m程度になります。写真のように、上部で粗く分枝を繰り返します。根出葉には柄が付いており、5〜11個小葉から形成されますが、周りの草々と混成しており、納得できる写真が撮れませんでした。
ここ乙女湖ロード周辺での花期は8〜9月です。穂状の花序が各枝の頂部に付きますが、長さが1〜2.5cmの楕円形をしています。花は暗紅色で上部から咲き始め下部に至ります。広楕円形の萼裂片が4個で花弁はありません。雄蕊は4本で花糸も暗紅色の糸状になっており、萼裂片とほぼ同じ長さです。萼裂片からあまり飛び出ません。
このワレモコウは、『源氏物語』にも登場し、その後も多くの詩人や俳人が好んで詠んでいます。月見などの生け花でも「引き立て役」として欠かせないようです。女性に人気があるのもうなずけますね!語源は数多くあるようですが、明確ではないようです。
マッチ棒のような変った形の可愛い花で、あまり強くはないですが香りも良いです。緩やかな風に揺れる「ワレモコウ」の花を眺めていると、ゆったりした時の流れとのどかさに浸れますが、同時に秋の気配を感じさせてくれます。
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))
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