今年の7月7日、七夕。東京は雨だったので残念ながら星空を見ることはできませんでしたが、みなさまのお住いの地域ではいかがだったでしょうか。天界では織姫と彦星の久々の逢瀬ですから、雨雲で隠してあげるのも悪くないのかもしれませんが。
さて、七夕といえば「笹の葉、さ~らさら……」と歌われますが、実は飾るために使われることが多いのはタケ、なんです。はて? タケとササの違いって?
タケもササもイネ科の植物ですが、タケは稈(かん・茎のこと)が生長するにつれてタケノコを包んでいた皮の部分(葉柄)が落ちてしまいますが、ササは枯れるまで節から葉柄が落ちないのが大きい違いです。
タケと比べてササは大きく育たないといわれることもありますが、タケよりも大きいササやササより小さいタケもありますので、なんだか紛らわしい!(苦笑)
日本のタケ類はほとんどが中国から渡来したものですが、ササは日本独自の種が多く、さらに地方によって変異が多いのも特徴です。
タケもササも開花するのがまれで、一部のタケ類は周期的に開花し一斉に枯れることが知られています。開花周期はおよそ60年から120年といわれていますが、周期が不明な種類もたくさんあります。
そもそもタケもササも年輪がないという草の特徴がありながら、同時に稈(かん)がとても硬くなるという樹木の特徴も持っています。タケが草本なのか木本なのかはまだはっきりしておらず、謎の多い植物なのです。
余談ですがタケといえばパンダの食べ物を連想される方もおられると思いますが、ジャイアントパンダは果物や肉・魚・昆虫も食べることがあり、ほかのクマ類と同じ雑食性なんだそうです。気候変動による食糧不足の中で安定して入手できるタケを食べることで生き抜いてきたのだとか。
七夕の歌ではササが歌われますが、古来から日本では様々な行事や神事のときに建物の四隅に竹を立てて神様をお迎えする風習がありますから、どちらを飾っても良いといえるのでしょう。今年の願いごとは叶いそうですか? 来年まで健やかに過ごせるといいですね。