土入れは、苗や鉢植えを植え替えるときに用いる道具です。その名前の通り、土をすくって鉢などに入れます。私が一番よく使う園芸道具でもあります。
一般的な材質は樹脂かステンレス、銅製。筒状で先端が斜めに切ってある、見た目は非常にシンプルな道具です。大小の2本、もしくは大中小の3本セットになっているものが多く、土を入れる鉢の大きさに応じて使い分けます。
私はスタンダートな園芸用具だと思っていたのですが、最近はホームセンターなどの園芸売り場であまり見かけなくなりました。しかし、私にとってはこんな便利な道具はありません。今回は、植え替えにぴったりな土入れの使いやすさを紹介したいと思います。
鉢に土を入れるなら、小型のスコップのようなものでよいのではないか? と思われるかたも多いでしょう。それも、ごもっともです。しかし、スコップにはない大きな利点が土入れにはあります。それは土がこぼれにくいことです。
植物を鉢に植えるときは、鉢の真ん中に植物を添え、そのすき間に土を入れていくのが一般的な方法です。スコップを使った場合、どんなにうまくやっても土が鉢の外にこぼれたり、植物と鉢のすき間に土が入れにくかったりすることが多いのです。しかし、土入れを使うと、土がこぼれにくく、狙った箇所に土が入りやすいです。ただ、それだけのことですが、快適で効率よく、植え替え作業ができます。特に、たくさんの苗を一度に植え替えるときに、俄然土入れの便利さを実感できます。土がスムーズに入っていくので、やっていて楽しくなります。
ただそれだけ? と思われるかもしれませんが、そのそれだけがとても大切なのです。機会がありましたら、その便利さをぜひ体験してみてください。皆様に快適な園芸ライフを!
(ヤサシイエンゲイ 小林昭二)
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