水戸の街で木を巡る
水戸で木を巡る小旅行をするなら一日乗り放題・特典付きっぷのバスを上手に利用するといいでしょう。筆者が利用した時期(2021年6月)は400円でした。
まずは別雷皇太神さまから
雷電神社(群馬県)、金村別雷神社(かなむらいかずちじんじゃ・茨城県つくば市)と並ぶ関東三雷神の一社になっているのが、ここ別雷皇大神(べつらいこうたいじん)。ご近所の方からは「水戸の雷神様」と呼ばれているとか。まず境内には、大きなカエルさまが鎮座。大正13年関東大震災の復興記念の東京上野の「電気博覧会」では会場鎮護の神として当社の御分祀が祀られたとされています。そして、こちらの神社でひときわ大きく立派な木がケヤキ。しめ縄もど~んと巻かれていましたのでご神木とも思えますが、調べても不明でしたのでご神木とは呼ばないようにしました。
境内のカエルには、無事かえる、金かえる、若がえる、良くかんがえる、体が元にかえる、
卵→オタマジャクシ→カエルと名をかえるので六福六蛙の御利益ありだそうです。
水戸駅からも近い水戸城跡の大シイ
ご神木ではありませんが、水戸で超有名な古木があると耳にしたので足を伸ばしてみることにしました。それは駅からほど近い場所にありました。水戸城跡の大シイと呼ばれるスダジイです。2本あり樹齢推定400年、樹高約20m、目通り約4mで、ほかの地域のスダジイと比較するとかなりの巨木。佐竹氏の時代より自生していたとされています。ちなみに、佐竹氏とは源氏一族のひとり。平安末期に源義光の孫の昌義が常陸国久慈郡佐竹郷(常陸太田市)に土着定住後、「佐竹冠者」として知られた人物で、その後、外様大名として幕末まで存続していたのだそうです。
銀杏坂の大銀杏
「銀杏坂」という名のバス停留所があります。その名の通りイチョウがあるのですが、悲しい歴史があります。このイチョウは水戸の空襲の歴史を物語るイチョウでした。昭和20年8月2日水戸・富山・八王子・長岡の4都市で空襲がありました。米軍のマリアナ基地を飛び立った約160機のB29が房総半島から水戸に侵し、約1,145トンの爆弾を投下。水戸市街のほとんどは焦土化し死者は300人以上。焼け野原になったとき、このイチョウも黒焦げになり誰もが枯れたと思いましたが、新しい芽吹きが! それ以来、このイチョウは水戸の戦後復興の平和の象徴として、また、水戸のシンボルツリーとして愛されています。
都内から水戸は近い!
水戸……茨城県だし、なんかすご~く遠いと思っていましたが、上野、日暮里から乗り換えなし。宿泊も探せば朝食付きで3000円(人数によっては2000円台!)から可能。ちなみに筆者は1泊約3000円で朝食、夜食、ウェルカムドリンク付きで水戸を満喫。コロナ対策をしっかりしてちょっと近場におひとりさまをするのはいかがでようか。
- 『別雷皇大神』:茨城県水戸市元山町1丁目1-57
(グリーンアドバイザー、開運植物文様研究家 藤依里子)