はじめに
木の上などに根を下ろして生育するタイプのラン科植物を「着生ラン」といいます。着生ランは素焼き鉢に植えて屋外の風通しのよい場所に吊しておくと、元気に育つものが多いです。要するに“風の良く通る環境が好き”ということです。
また、吊すことで置き場所を立体的に活用できます。限られたスペースを有効に使い、いかにして植物を効率よく置いて育てるか? は趣味園芸家の永遠の課題でもあります。
筆者は狭い庭でせっせと着生ランを育てております。スペースの関係で棚に置けない鉢は、吊り下げるための「吊り用具」を用いて吊り下げております。吊り用具といっても決して大げさなものではありません。どこのご家庭にもある針金ハンガーを加工した至極シンプルな物です。今回は、筆者がよく使う素焼き鉢用の「吊り用具」の作り方を紹介いたします。
作り方の手順
針金ハンガーは細くて頼りない感じがしますが、案外しっかりしており、じゅうぶん使用に耐えられます 。あまり大きな鉢は無理ですが、ランの栽培でよく使用する3.5号の素焼き鉢(鉢の直径約10.5cm)までなら針金ハンガーでじゅうぶんです。
では、順を追って作り方を見ていきましょう。
三角の部分が鉢の外側、棒の部分が鉢の内側になるように取り付けます。 三角の底辺が鉢の縁部分に引っかかるように深く挿します。原理は単純で、挟み込む力で固定しています。鉢の縁に引っ掛けることで外れにくくなります。
注意点
折り曲げる際は、取り付ける鉢の大きさを考えて三角部分の大きさを適宜調整します。最初は針金を上手く折り曲げられないかもしれませんが、何本か作っているうちにできるようになります(多分)。また、強風などの影響で鉢が落下することも考え、人が通るそばに吊り下げることなどは避けましょう。
吊り下げ用具が鉢の縁に引っかかっていない状態で吊り下げると支柱が外れる危険があります。
(ヤサシイエンゲイ 小林昭二)