[クス]古今東西 ご神木巡礼 その24 乃木神社のご神木『雷神木』|クスノキ科クスノキ属|エバーグリーン

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日本各地には、神社やお寺をはじめ場所によってはシンボルツリーとして、願いを叶えてくれる、パワーがもらえるとされているご神木と呼ばれる木が数多く存在しています。これは、運気、邪気、勇気、弱気、強気などの“気”と“木(樹)”を掛ける語呂合わせだったり、願いを叶える力もあると信じられているからでしょう。
特に、大樹や古木には、木霊と呼ばれる精霊のようなものが宿り、不思議な力を持つといわれています。今回は、東京都内の乃木神社のご神木を紹介します。

 

乃木神社

乃木神社

乃木神社案内記

乃木神社案内記

 

乃木神社ってどんな神社?

乃木神社は、大正12年に司馬遼太郎の小説“坂の上の雲”でも知られる、日露戦争で武勲を立てた乃木希典大将とその妻の静子氏を御祭神として祀る神社として創立されました。文武両道の神、夫婦和合の神として祀られています。

乃木大将は、明治天皇の御崩御に伴い夫妻で殉死されたことで知られ、宝物殿には、乃木大将の遺言、遺書、勲章などが展示されています。そのため神社では、『つれそひ守・よりそひ守』や『勉学修徳守』『勝守』を求めることができます。このほか、境内には稲荷神社や萩の松陰神社から御分霊を勧請し、境内に鎮祭した正松神社などがあります。

 

ご神木は『雷神木』

今回はクスの樹です。ご神木らしい名前まであります。このご神木の由来は、昭和47年例祭前夜に、本来なら銅葺きの御本殿への落雷が考えられるはずだったものを、なんとこのクスの樹が身代わりとなり本殿を守ったとされているのです。古くからの言い伝えで、一度雷神の宿った御縁のものは悪事災難を取り除くとされることから、このクスの木片が納められている『攘災開運守』のお守りもあります。

雷神木

雷神木

雷神木

雷神木

 

境内にはほかにも気になる樹が

美しい樹形で一点一画が整っていることから書法の楷書の語源であるともいわれている樹です。漢字では、楷樹または楷の木と書くウルシ科の雌雄の落葉喬木。中国では孔子の墓に植えられていることから、別名「孔子木」とも呼ばれています。

ちなみに境内のこの木も、大正4年(1915)に農商務省林業試験場の初代所長であった白沢保美博士が、中国の孔子墓上よりタネを持ち帰ったもので、大正15年(1926)5月に中村弥六氏により奉納植樹されたものだと伝えられているのだとか……。ほかにも、筆者は見つけることができなかったのですが「水師営の会見」のなつめの木があります。そのほか、もう終わったでしょうか、季節には多くの人の目を楽しませてくれる枝垂桜も何本かあります。

楷樹(楷の木)

楷樹(楷の木)

楷樹(楷の木)

楷樹(楷の木)

 

近代的な街として知られる六本木エリアから少し離れた場所にありますが、激動の時代を感じさせられる場所として今でも多くの参拝客が訪れています。ちょっと寄り道しながら、そう遠くなかった日本の過去に触れてみるのもいいのではないでしょうか。そして、戦争がない日本の今に感謝を……。

 

  • 『乃木神社』:東京都港区赤坂8-11-27

 

(写真・取材/グリーンアドバイザー・開運文様研究家 ふじえりこ)


 

雷神木