さまざまな形と色
近年、店頭に並ぶシクラメンの花色や形がずいぶんとバリエーション豊かになりました。青色の花がないシクラメン。そのなかで特に目立つ濃い紫色の品種や、花弁の縁が細かくフリル状になった品種、香りも楽しめる品種など多種多様です。株の大きさもいろいろですから飾る場所に応じて選びたいものですね。
「せっかく選び抜いた株が、ふと気付いたら葉っぱがしおれて元気がなくなってしまっていた」なんてことはありませんか? シクラメンは一度水切れを起こすと、その後の調子に響きます。少しの気遣いで株を傷めずに、長持ちさせることができるのでご紹介しましょう。
良い株を選ぶポイント
シクラメンの良し悪しを見分けるポイントは葉です。
シクラメンは1枚の葉に対して一つの蕾がつくという性質のため、葉が多い株のほうが花を多く楽しめます。葉の形がきれいなハート形をしているものは、栽培過程で常にバランスよく肥料を与えられていた証拠です。全体的に葉の形が揃っているものを選びましょう。
また、大きい葉に混じって小さい葉もある株を選びましょう。小さい葉が混じっているということは、これから生長する次の世代が育っている裏付けです。
水を与える時に注意
シクラメンは餅が潰れたような形の塊根(かいこん)から葉や花芽(かが)が出てくる塊根植物です。株全体が濡れるように上から水を与えると、塊根が腐ったり葉の根元にカビが発生しやすくなります。水は土だけが濡れるように根元に与えるか、溜めた水の中に鉢底を浸して底面から水を吸い上げさせるようにしましょう。
販売されているシクラメンの中には、二重構造になっていて下の皿に水が溜められる鉢に植えられているものもあります。この鉢は水が必要な分だけ土に直接供給されるのでシクラメンに向いているといえるでしょう。
はじめに書いたとおり、シクラメンは水切れに弱い植物です。土がぱさぱさに乾燥すると一気にしおれてしまいます。土は常に湿っている状態を保ってください。
花殻(はながら)摘みをこまめに
シクラメンの花は、終わっても散らずにそのまま茎で残っています。これを放置すると根元が窮屈になり、次の花芽や葉芽(ようが)が伸びる妨げになり、カビが発生しやすくなります。花後や黄色くなった葉っぱは残さずにどんどん摘むといいでしょう。
色が褪せてきたら、茎をつまみ手前に引きながら左右どちらかにねじると簡単に根元から引き抜くことができます。根元に光が入りやすくなると、新しい葉や蕾がどんどん出てきます。スポッスポッとなんだか癖になりそうな感触で抜けますので、こまめにお手入れしましょう。
花の向きがバラバラの時は
お店で買った時にはすべての花が株の中心できれいにまとまっていますが、日が経つにつれてバラバラになって見苦しくなることがあります。そんな時には、花のついている茎だけを優しく持って1本ずつ拾いながら葉を除けて中心へ集めると美しくまとまります。
エバーグリーン編集部オススメサイト
- シクラメン(エバーグリーン植物図鑑)
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インタビュー:「草木花 × オンリーワン」〜園芸家 横山直樹さん(原種シクラメン編)(エバーグリーンポスト)
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