皆さん、和名が「豚の饅頭」と呼ばれる名前の花をご存じですか?
花の名前に饅頭だなんて、何とも不思議な気がします。
そう、この花は皆さんご存じの「シクラメン」です。花が少ない冬には元気に色鮮やかに咲いてくれます。
シクラメン(学名; CyclamenL.)は、サクラソウ科シクラメン属の多年草です。株元の扁平状で膨らんだ部分は、シクラメンの塊茎です。ジャガイモ、アネモネ、ベゴニアなど同じ、球根植物中の塊茎植物なのです。
この塊茎の上から、たくさんのハート状の葉っぱがつきます。葉っぱの質が硬くて、模様も美しくて、この葉っぱを楽しむ人もたくさんいるようです。
開花期になると、長い花茎が塊茎の上から伸びて、先端にホックの形で、かわいい蕾を下向きにつけます。
その後、蕾が展開して5弁の花を咲かせます。
顔が下向き、5枚の花弁がはっきりしています。
5枚の花弁が全部上に立ち上がり、シクラメンならではの姿ですね。
白、紫、黄色いなど花色も、八重咲き、フリンジ咲き、フリル咲きなど花形も豊富です。
シクラメンは多年草で、原生地はトルコ、シリア、レバノンなど地中海沿岸ですから、高温多湿の環境は苦手です。日本では、花が咲く時期が10月から4月まで、夏になると、高温条件下で休眠に入り、地上部はあまり生育しませんが、その間に地下にある塊茎が養分を蓄えて肥大します。
シクラメンは、普段は室内の日当たりよい場所で管理します。気温が10℃以上の日は、戸外の日向に置くこともできます。ただし、室内で育てる場合は、暖房の温風が当たらない場所に置いてくださいね。湿度が高かったり、温風が当たったりすると、葉っぱが黄色くなり、株元に灰色カビが生えやすいので、丁寧に管理してください。また、花が終わったら、花がらをつけ根から引き抜くことも忘れないでください。
皆さん、いかがですか。
興味のある方はぜひ今年の冬にはお気に入りの品種を見つけて、育ててみてくださいね!
(千葉大学大学院 任倩玉)
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