植物図鑑
シクラメン
シクラメン属
シクラメン
学名:
Cyclamen persicum
〔基本情報〕単にシクラメンという場合、Cyclamen persicumとその園芸品種を指すことがほとんどなため、ここでは本種について解説します。
多年草。
やや平らな球形の塊茎をもちます。
葉は根出する単葉で、ふつう心臓形、表面には銀白色の斑紋があります。
葉の縁には歯牙があります。
長い花茎の先に1個、下向きに花をつけ、花冠は5裂し、上に反り返ります。
花色は白~赤色までさまざまで、ふつう花冠の基部が紫色になります。
花には本来芳香がありますが、多くの園芸品種では失われています。
受精すると花茎が下方に曲がります。
〔来歴〕1731年に東インド会社によってキプロスからイギリスに導入されたのがはじまりとされています。
〔栽培〕花の咲く時期には日光によく当てるようにします。
夏の直射日光と高温多湿を嫌います。
土の表面が乾いたらたっぷりと与えますが、葉や花に水がかかるといたむため鉢の縁から静かに与えます。
夏の暑さに弱いため一般的には初夏に葉が枯れて休眠にはいります。
休眠時は日陰で風通しの良い場所で水を与えずに、葉が出てくるまで夏越しさせます。
冷涼地で休眠に入らなかった場合は半日陰で水やりをしながら夏越しさせます。
葉が大きくなってくると、葉の下のつぼみに日が当たらず枯れてしまうことがあります。株元とより多くの葉に日が当たるように葉の位置を調整する葉組みをおこなうとよいです。
冬は暖房の風が当たらない日がよく当たる窓ぎわなどに置くとよいです。
凍結には注意が必要です。
花や葉が枯れてきたら根元からこまめに摘み取ります。
病害虫としては灰色かび病、軟腐病、萎凋病、ホコリダニ、アブラムシ、アザミウマなどがあります。
〔備考〕別名のブタノマンジュウは塊茎の形から、カガリビバナは花の形からつけられました。