[ナギ]古今東西 ご神木巡礼 その10 一言主神社のご神木|梛|マキ科ナギ属|エバーグリーン

      [ナギ]古今東西 ご神木巡礼 その10 一言主神社のご神木|梛|マキ科ナギ属|エバーグリーン はコメントを受け付けていません

日本全国の神社やお寺、地域によってはシンボルツリーのような扱いで、願いを叶えてくれるご神木と呼ばれる木が数多く存在しています。これは、運気、邪気、勇気、弱気、強気などの“気”と“木”を語呂合わせしているのはもちろん、実際に願いを叶える力もあるからでしょう。特に、大樹や古木には、木霊と呼ばれる精霊のようなものが宿り、不思議な力を持つといわれています。そんなご神木の中から一言主神社のご神木を紹介します。

ここが「一言神社」です

ここが「一言主神社」です

 

ユニークな名前の由来は?

ちょっとユニークな名前の一言主神社の神さまは、その名も一言主大神。その昔、雄略天皇が葛城山に狩猟に行かれたときに、一言主大神【ヒトコトヌシノオオカミ】と出会い、「吾は悪事も一言、善事も一言、言い離つ神」と言われたことから“託宣(タクセン)神”“言霊(コトダマ)の神”とされたといいます。その後“万能神”として「一言願わば、良き事につけ、良からぬ事(心配事、病気、災難等)につけ、良く聞き分けて御利益を授けてくれる神」として広く知られるようになったとされています。そんな神様が祀られた場所で見つけたご神木は、千葉県の白子神社にもあった(椥:ナギ)の木でした。

ご神木は椥の木

ご神木は椥の木

 

恋バナもある

このご神木、なんと、『良縁の木』ではございませんか! そして、立札には、な、なんと歴史上の超有名人源頼朝を想う、北条政子との恋バナが書いてあるではございませんか! なんでも、この椥の葉は、切れにくいことから昔から恋愛必勝の必須のアイテム。この椥の葉にふたりの名前を書いて鏡の裏に忍ばせておくと恋が成就するのだとか……。

恋バナが書いてある立札

恋バナが書いてある立札

結婚や恋愛の願いが書かれた絵馬がぎっしり

結婚や恋愛の願いが書かれた絵馬がぎっしり

 

神社の正式名称には「竹」も

一言主神社では、椥だけではなく……竹も有名。そのため、神社の正式名称は、「三竹山 一言主神社」です。

その昔、雪の中から出てきたタケノコは成長すると、一本が三つに枝わかれした“三岐の竹【ミツマタのタケ】になり、お祓いすると一言主大神【ヒトコトヌシノオオカミ】が現れ、「今この国の人々を災いから救うためにここに来た。すなわちこの“三岐の竹”(ミツマタのタケ)を私と思って末永くお祀りしなさい」と言われたことから、お社を建て三竹山【ミタケサン】と呼ばれるようになったというわけです。

三竹山のいわれはこちらに

三竹山のいわれはこちらに

 

さて、ここ一言主神社の大祭は9月13日。神社にとって最も重要なお祭りになり、夕方から拝殿内での『獅子舞』に始まり、『からかさ万灯』や県指定無形文化財になっている『からくり綱火』等の奉納行事が行われます。ちなみに、このからくり綱火は、その起源は江戸時代前期。特殊伝統芸能にひとつで、カラクリ人形と仕掛け花火が結合したもの現在、日本では数少ない奉納芸のひとつになっています。

 

 

この秋、ご神木の椥の木に恋の願いを託しに行きたい方は、ぜひこの大祭に合わせて予定してみるのもいいではないでしょうか。

 

 

 

エバーグリーン編集部オススメサイト

 

  • 『一言主神社のご神木』への行き方:つくばエクスプレス守谷駅中央西口よりタクシーで約20分

 

 

(写真・取材/グリーンアドバイザーふじえりこ)

ご神木は椥の木