楊貴妃の姿を例えたほどの花
桜の季節が過ぎ、街は、華やかな景色から鮮やかな新緑の景色に移り変わりはじめました。ふとわが家の庭に目を移すと、桜に負けない華やかさでハナカイドウ(花海棠)が花盛り。桜よりも花柄が長く、うつむきかげんに咲く様子が可愛らしい花です。
カイドウと呼ばれることもあるハナカイドウは、リンゴと同じバラ科の落葉樹。中国が原産で、唐の玄宗皇帝が、酔って眠る楊貴妃の姿をハナカイドウにたとえたといわれるほど、その美しさは、古くから人気があります。
ハナカイドウは私の大好きな花のひとつですが、ちょっと困っていることがあります。
それは、樹形の乱れ。父が庭に植えていたものですが、ほとんど手を加えていなかったせいか、枝がどんどん伸び、その枝が上がったり下がったり、グルグル巻きのような状態で、何とも不思議な形になっているのです。
日当たりのよい塀の外側から見ると、とてもきれいなのですが、日の当たらない塀の内側から見ると、ご覧のとおり。
樹形を美しく整えるには、やはり剪定が必要だと思うのですが、ハナカイドウは、いったいいつ、どのように剪定すればよいのでしょう。少し調べてみました。
ハナカイドウの春の剪定方法は?
ハナカイドウの本格的な剪定時期は、秋の落葉後。とはいえ、花が散ってしまう今の時期、枝ぶりが目だって気になるところです。が、ここはグッとがまん。ハナカイドウは、花が散った後すぐに花芽ができるので、春に強い剪定をすると、翌年に花があまり咲かなくなってしまいます。どうしても気になる時は、花芽がつかない徒長枝(伸びすぎた枝)に限り、枝先を少し切る程度にするとよいそうです。
樹形を整えるなら春より秋
ハナカイドウの花芽が付くのは、花後に伸びた枝の中でも短いもの。秋になって剪定するときも、短い枝を切ってしまうと、翌春に咲く花数が少なくなってしまいます。日当たりの邪魔になる木の内側に向かって伸びている枝や、伸びすぎて花芽のついていない枝を切りそろえる程度にするのがコツ。ハナカイドウに関しては、樹形を気にしすぎてバッサリ切るのは禁物のようです。
来年もたくさんの花を咲かせつつ、きれいな樹形のハナカイドウを楽しむためには、バランスをよく考える必要がありそう。少し難しそうですが、チャレンジしてみようと思います。
(エバーグリーン編集部 まえだようこ)
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