あちこちで美しい花が咲き誇る春。ちょっと足を伸ばしてプチ旅行に行かれる方も多いのでは? そこで、今回は春の野で見つけたら試してみたいオススメ野草クッキングを紹介します。
スギナになる前に! ツクシを食べる
ちょっと昔は、春になる土手などでツクシ(トクサ科)を摘む姿も数多く見られました。ツクシは筆のように見えることから、漢字では土筆と書かれます。全国各地で見られるツクシ。日当たりのよい草原や田畑の畦などでよく見かけます。ちなみに、このツクシはスギナの胞子茎。つまり地下茎でつながっています。そのため、初夏~秋にかけてスギナが多く発生した場所で、翌年の春にツクシを探すことができるのです。
さて、ツクシ料理を食べたい! そう思ったら、まずはツクシの採取です。できるだけ、除草剤などが使用されていなかった場所などで摘むことをオススメします。ツクシは大きくなって胞子が開いてしまうと味が抜けてしまうので、頭が固く胞子が閉じているものを探しましょう。
また、採取したツクシは、周りにハカマ(袴)と呼ばれる茶色い葉が付いていますので、丁寧に取ります。剥くようにすると簡単にはずすことができますよ。
軽く水洗いしたら、水分をよく拭き取って料理開始!
さっと湯掻いて、ダシ汁につけておひたしにしたり、てんぷら、ゴマ油炒めにしたりなどで楽しむことができます。アクはあまりありませんが、苦味などが気になる人は、酢と塩を少々入れたお湯でゆがき、水気を切ったら、さらに半日から1日、水を何度か変えながらさらすとよいでしょう。
ツクシ料理のなかでも特にオススメしたいのが、ゴマ油炒め。これは採取したツクシのハカマを取り、水洗いした後、水分を軽くふき取り、熱したフライパンにゴマ油を少量入れ、さっと炒め、好みで砂糖醤油や塩などで軽く味付けすればできあがりです。ご飯のおかずはもちろん、ちょっとしたお酒のおつまみにもピッタリです。
春といえばナノハナも忘れたくない
千葉県いすみ市大原には、ナノハナ列車と呼ばれるいすみ鉄道があります。電車のカラーがナノハナ色というだけでなく、春になるととにかく車窓からナノハナを数多く見ることができます。
でも、ナノハナって見るだけ? 食べることはできないの? なんて思う人もいるはず。そこでオススメしたいのは、ナノハナのツボミや花を利用したお浸しや塩漬けです。
作り方はとても簡単。
お浸しはナノハナのツボミや花の部分をさっと洗ったあと、湯がき、だし汁につけるだけ。また、塩漬けはさっと洗い、水分を拭き取ったあとに、軽く塩を振り、手でしんなりする程度揉むだけでできあがり。
オリーブ油や酢をかけるとサラダ風にもなります。ちなみに、ナノハナとはアブラナ属の花の総称名として使われている言葉です。そのため、家庭菜園などキャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなど、収穫のタイミングをのがしたアブラナ科の花やツボミなども利用することもできます。
今回は、春の香りを楽しめるナノハナとツクシをご紹介しました。次回は、庭先でも美味しく簡単に育てることができる! ニラとアシタバをご紹介したいと思います。
(グリーンアドバイザー ふじえりこ)
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