「昔、森に迷い込んだ若者がドラゴンに襲われました。若者は、三日三晩の格闘の末、ドラゴンを倒しましたが、若者も傷だらけになり、あたりには血が滴り落ちていました。そして、若者の血が滴り落ちた場所は、神聖な場所の証として白い花が咲きました」
この白い花こそがスズランだといわれています。
ただし、その可憐な姿からは想像がつきませんが、スズランにはかなり強い毒があります。例えば、スズランを挿していた花瓶の水を飲んでも、命を落とすことがあるのだとか……。牛や馬はその毒性を知っていて、スズランを食べないのだそうです。
一般的に、園芸店などで見かけるのはドイツスズランです。ドイツスズランは、葉よりも花茎が高くなり香りも強いのが特徴です。対して、日本原産のスズランは、葉の陰に花が咲き、香りもドイツスズランほどではないようです。
さて、日本におけるスズランの自生地は、本州の中部より北です。実際、寒さには強いのですが、夏の暑さには弱いようです。だからといって、中部より南の地域、例えば、四国や九州、中国地方などでは育てられないかというと、そんなことはありません。
事実、熊本県平野部のわが家では、いただいた鉢植えの株が増えたので、スズランを庭に直植えしたところ、毎年可愛い花を咲かせています。植える場所などを考慮すれば、地域を選ばず、スズランを楽しむことができるのかもしれません。
ちなみに、わが家でのスズランの定植地は、木の陰で風当たりが良いところです。肥料や防虫対策など、特別な世話も何もしていません。相性が良かったのかもしれませんが、気を使わず可愛い花を楽しめるのはありがたいです。
園芸店などで鉢植えのスズランを手に入れて、株が増えていっぱいになったら、それは、環境に慣れてきたということです。そのときはぜひ庭に植えて、可憐なスズランの花を楽しんでください。
- スズランの花言葉:「再び幸せが訪れる」「純粋」「純潔」「謙遜」
エバーグリーン編集部オススメサイト
- タネから育てる方法も解説あり
すずらん(スズラン)の育て方!種・苗の鉢植えや地植えの時期と方法は?(HORTI)
- 中部地方以南の日本スズランの自生地
スズラン自生地(GO! Central Japan)
岐阜県高山市朝日町西洞
見頃:6月上旬
吐山スズラン群落(針テラス情報館)
奈良県奈良市都祁吐山町
見頃:5月下旬
スズラン自生地(阿蘇ナビ)
熊本県阿蘇市波野
見頃:5月中旬
(エバーグリーン編集部 愛垣)
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