「桃の節句」とも呼ばれる3月3日のひな祭り。節とは、季節の変わり目(節目)のこと。中国から来た風習のひとつですが、日本では、江戸時代に5つの節句が定められました。それぞれの節句に、季節の旬の植物から生命力をもらい邪気を祓うという目的で行事が行われます。
3月3日は、ちょうど桃の花が咲く季節。また、桃自体に厄除けや魔よけなどの力があるといわれていることから、女の子の健やかな成長を願うひな祭りに飾られるようになったようです。
桃の花を長持ちさせるコツ
せっかくの桃の節句ですが、「なんだか、飾りにくそう」と、実はこれまで桃を飾ったことはありませんでした。桃は、枝に直接つぼみが付いているのが特徴なので、丁寧に扱わないと、咲く前に枝からポロリと取れてしまうことがあります。また、つぼみのまま紫色になって萎れ、咲かないこともあるため敬遠していたのです。その原因は、乾燥と寒さ。
桃の花をきれいに咲かせて長持ちさせるコツを、生花店の方に教えてもらいました。ポイントはふたつ。
- 購入したらすぐ、枝の切り口に十字に切り込みをいれて水揚げをよくすること。
- 時々、枝に霧吹きで水をかけて、乾燥を防ぐこと。
これでなんとか、3月3日まできれいに長持ちさせたいものです。
桃の花と相性のよい花は?
実際に、桃を飾ってみました。安定をよくするため、球根の水栽培に使うポットを花瓶代わりに使っています。口が狭いので収まりがよく、ぶきっちょの私でも案外かんたんに活けられました。生花店では「主役は、あくまで桃なので、桃だけを花瓶にガサッと大胆に挿しても大丈夫ですよ」と教えてもらいましたが、やはりこれだけでは、少し寂しい気がしたので、桃とよく合う菜の花も加えました。春らしい黄色の花は、桃のピンクを引き立てます。他にもフリージアやスイートピーなども相性がよいそうです。
わが家のひな人形は、お内裏様とおひな様だけの親王飾りなので、桃の花もサイズを合わせて少しこじんまり飾ることにしました。
生の桃の花をひな人形と一緒に飾ったのは、今年が初めてですが、おひなさまがいっそうイキイキとした表情に見え、まさに「うれしいひな祭り」の気分。桃のパワーと春の訪れを肌で感じられるすてきな桃の節句を迎えられそうです。
- 桃の花言葉:「私はあなたのとりこ」「天下無敵」「気立ての良さ」
- 桃(エバーグリーン植物図鑑)
エバーグリーン編集部オススメサイト
- 歴史や育て方から、桃太郎まで。桃のことなら何でもわかる?!
- 果実の収穫も楽しめるのがうれしいです。
モモの育て方/eグリーンコミュニケーション(住友化学園芸株式会社)
- 豪華なフラワーアレンジメントはプレゼントにもいいですね。
桃の節句のアレンジメント/フローリストKAZUHIKOのフラワー教室(YouTube)
(エバーグリーン編集部 まえだようこ)
- 前の記事を読む(かわいいキンギョソウで雄大な風景を演出)
- 次の記事を読む(古今東西 ご神木巡礼 その2 鬼子母神のイチョウ)