別名「テングノハウチワ」ともいわれている「ヤツデ」。その形といい、大きさといい、天狗が、魔物を追い払ったり、空を飛んだり、火を自由に操ったりするために使う「羽団扇」によく似ています。
冬も落葉せず「魔」を払ってくれる大きく力強い姿は、「魔よけ」や「疫病除け」に通じると考えられてきたようです。さらに、大きな手の形は、人や福をかきよせる「千客万来」の縁起物とされますから、玄関先など人目がつくところに植えられていることが多いのも頷けます。
ヤツデの葉は7~9枚の奇数に裂けていて、「八つ」に裂けることはありませんが、末広がりで縁起がいい「八」を名前に用いて「八つ手」としたのも、演技を担いでのことのようです。
一方で、日陰でもよく育つことから、昔は、くみ取り式のトイレの目隠しに利用されていました。また、10〜12月という寒い季節に花を咲かせるために、たくさんの昆虫をおびき寄せるために独特の匂いを発します。そのためにマイナスのイメージを持つ方も多いようです。
縁起物とのそのギャップもまた興味深いですね。
- ヤツデの花言葉:「分別」「親しみ」「健康」
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縁起の良いヤツデを育てたい!知っておくべき8つの知識(花と緑のある暮らし)
(エバーグリーン編集部 愛垣)
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