100年の歴史を超える千葉大学園芸学部。園芸、造園などの分野での多くのエキスパートを輩出しています。今回は、エバーグリーンのオブザーバーでもあるニシハラサイコさんにお誘いいただき、千葉大学柏の葉キャンパス、「環境健康フィールド科学センター」に出かけて来ました。
取材に訪れた日は気温が35度。「環境健康フィールド科学センター」の広い敷地にある花壇や温室では、園芸学部花卉園芸研究室の学生たちが、汗だくになって植物の世話をしていました。
花卉産業で活躍できる人材を育成する
「大学に入ってきたときは、植物に癒される側にいる学生ですが、卒業するときには、癒す側にならなくてはいけませんからね」と、案内してくださった園芸学部園芸学科准教授である渡辺均先生が笑います。 そのために、センターにある植物の維持管理は学生たちに任されています。
薬草園に続いて案内していただいた温室では、園芸学部の同会組織である花葉会が運営する「花卉園芸必修1000属検定」に出題される植物が育てられています。
「水をたくさん欲しがる植物もあれば、やりすぎるとグタッとなってしまう植物もあります。灌水の要領をよく分かっていない学生が水をやると、朝にやっても、午前中にしおれてしまうこともあります。そういう感覚や案配を身をもって体験することは非常に大切だと思っています」 種類や状態の異なる植物の水管理は、学生のかっこうの学習の場ということなのですね。そうして、維持管理をするなかで植物に触れることで、学生たちは、卒業後に花卉産業で仕事をしていくために必要なたくさんの植物の名前を覚えていくのです。
「花産業必修1000属検定」に挑戦
さて、渡辺先生が指導する花卉園芸研究室の学生の多くは、就職活動が始まる前に、「花産業必修1000属検定」のB級に挑戦しているのだとか。ちなみに、「環境健康フィールド科学センター」に誘ってくださったニシハラサイコさんは、この検定の一番難しいレベルのA級(上級)ライセンスの保持者であり、B級(中級)、C級(初級)検定の試験官でもあるそうです。
ちなみにそれぞれの級で出題されるリストはこちら。
最近は、千葉大学の学生や花卉産業に従事する人ばかりでなく、植物に興味をもつ一般の方の受験も増えているそうですよ。
C級の検定は、基本的には毎月、「環境健康フィールド科学センター」で実施されているとのこと。 植物に興味がある、植物の名前には自信があるという方は、この機会にぜひ受験してご自分の実力を試してみてはいかがですか? ただし、どの級も1回の検定での合格できないほど、難しいとのことですが……。
「花産業必修1000属検定」の詳細はこちらからご確認ください。
(エバーグリーン編集部 たなかみえ)
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