[ウバユリ]そろそろ名前を変えてあげたいウバユリ|ユリ科ウバユリ属|エバーグリーン

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今回は、山野の林下に生える「ウバユリ」を紹介します。

ユリ科ウバユリ属の多年草で、花期には葉が枯れることが多いため歳をとった歯がない女性・姥(うば)にたとえられ、ウバユリ(姥百合)の和名が付けられています。日本には、大型の「オオウバユリ」を含めこの1種のみが生息します。ちなみに英名はHeartleaf lilyです。

 

はじめはどういった野草なのか皆目見当がつきませんでしたが、その後開花した状態に出あうことで、ウバユリであることが特定できました。初秋には最後の写真のオオウバユリと同じような緑色の実をつけます。これが茶色に熟すと外の殻が裂けて、なかから種が落ちます。晩秋には、茶色の裂けた実(殻)と茎だけが残っているのに出あうことがあります。私がウバユリ(オオウバユリ)と出あったのは、西は大山(鳥取県)から北は恵庭岳(北海道)までと、いずれも雪の多い山でした。

 

下の写真のように花が咲くまではユリとは思えない葉です。花が開くとユリ属ほど強烈ではないですが、よい香りがします(私は優しく感じました)。茎や実(殻)の感触もおもしろいです。茎の高さが約1m(オオウバユリは約2m)で花の長さが約10cm(オオウバユリは約15cm)あります。生き生きとした大きなウバユリに出あったときは、癒やされますし元気ももらえます。食料や薬用にも利用されているのに「なぜウバ(姥)?」と名前がひっかかるのは私だけでしょうか?

オオウバユリの実:槍ヶ岳(9月上旬)

オオウバユリの実:槍ヶ岳(9月上旬)

 

山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))


 

オオウバユリの実:槍ヶ岳(9月上旬)