[ケヤキ、クスノキ]古今東西 ご神木巡礼 その33 三峯神社のご神木 ケヤキとクス|エバーグリーン

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「えっ!! また千葉県?」と言われてしまいそうですが、すみません。自粛しておりますのでお許しを(笑)。さて、実は千葉県いすみ市にはとてもたくさんの神社があります。カーナビで神社発見! 行ってみるとイメージしている神社とはまったく違い、本当に小さな神社、お社も少なくありません。今回はそんな神社のご神木、もしかして鳥居のかわりかも……という小さな神社のご紹介です。

鳥居のかわりのご神木

鳥居のかわりのご神木

目印は「楽働会」なる看板。ココでは郷土寿司である『花寿司』を作る講習会などが行われているそうです。

目印は「楽働会」なる看板。ココでは郷土寿司である『花寿司』を作る講習会などが行われているそうです。

 

小さいけれどエピソード満載!

この2本のケヤキ、テレビにも登場したことがあるんだそうです。管理をされている方のお話しでは「先日もNHKが取材に来たのよ」とのこと。とはいえ、このケヤキが管理をされている方にお話しを聞いてはじめて「えっ! これがご神木なんですか?」と失礼ながら言ってしまうほど、パッと見わからないものでした。また、このご神木は電線より高くなると、災害時に問題を引き起こす原因になってはいけないということで、定期的に高さを調整されているのだそう。見上げるほどの高さではありませんが、その樹齢は相当のものだというお話でした。

線に触れないように高さはカット

線に触れないように高さはカット

 

秩父の三峯神社とも関係が

「ご神木巡礼」をはじめてから気が付いたのは「神社って同じような名前が多いなぁ」ということです。

今回ご紹介しているこの神社は秩父の三峯(みつみね)神社と繋がりがあり、神社名は「三峯神社」とのこと。そこで、秩父(埼玉県)にある三峯神社のウェブサイトを覗いてみると、神社の名の由来は上総(かずさ)国(千葉県)で3つの山が美しく連らなっていることから「三峯山」と呼ばれ、それにちなんで「三峯宮」の称号がお社につけられたとされたとのこと。

また、享保5年(1720)に、日光法印という僧が今日の繁栄の基礎を築き、「お犬様」と呼ばれる眷属(けんぞく・神の使い)への信仰もこの頃から広まっていったとされています。三峯神社の眷属はお犬様(山犬/日本狼)なのでお社のなかには「お犬様」が祀られていました。そして、通称『山犬信仰(三峯講)』といわれるものがあり、三峯の神使は毎月19日に小豆飯をお犬様にお供えするのだとか。

お犬様

お犬様

 

お犬様について

山犬(日本狼)はコワい! というイメージがありますが、あのジブリ作品『もののけ姫』にも日本狼が登場します。日本狼はおよそ100年前に絶滅してしまったとされていますが、そもそもこの日本狼はコワいだけではなく、実は山の神の眷属(お使い)として、害獣から田畑を荒らさないようにする役回りがあったのだといわれています。そのため、五穀豊穣の神ともされたようです。

また、この神社のお犬様ですが、管理をされている方のお話しによると「何十年か前にですが、小さい祠(ほこら)が朽ちてきたので取り壊そうという話があったんです。ちょうどそのころ、私がキラキラ輝く祠が出てくる夢と、主人である私が犬を引き連れて歩いている夢を見たことで、これはご眷属さまからのメッセージだと思いまして、祠を新しくしたのです」と。お話を伺えば伺うほどご眷属さまのパワー漲る場所という感じがいたしました。

 

社の後ろにもあるご神木

さて、鳥居のかわりのご神木のケヤキ以外にも、お社をお守りするかのようにクスがありました。こちらもご神木とのこと。

これは筆者の勝手な解釈ですが、2本のケヤキは鳥居でもあり、門松のように神様をお呼びする神代ではなかろうかとも思いました。また、秩父の三峯神社は、私の息子が小さい頃によく行った場所だったこともあり、なぜかこちらのご神木にはご縁のようなものを感じました。チャンスがあったら「縁結びの木」もあるという、秩父の三峯神社を訪ねてみたいものです。

クスの木。こちらもご神木

クスの木。こちらもご神木

 

エバーグリーン編集部オススメサイト

 

  • 『三峯神社』:千葉県いすみ市岬町桑田2480

 

(グリーンアドバイザー、開運植物文様研究家 藤依里子)


 

クスの木。こちらもご神木