秋を感じさせる「フジアザミ」を紹介します。富士山周辺に多いので、その名が付きました。キク科アザミ属の大きなしっかりした多年草で関東や中部地方に分布し、山中の砂礫地などに生えます。
茎の高さは50〜100cmになり根出葉は基部に集まっています。長さ50~70cmに達する根出葉は花時も残っており、白い「くも毛」を被っています。縁は著しく刺に覆われます。花期は8月中旬〜10月上旬で、直径10cmにもなる紅紫色の頭花が付きます。
写真のように開いた頭花は下向きですが花芽が出るときは上向きで、大きくなって重みが増すと徐々に下向きに変っていきます(2枚目写真右の蕾は横向き)。総苞片は紫色で縁に短い刺が反り返っています。花冠は長さ17〜22mm です。
次の写真は、八ヶ岳のフジアザミですが、1枚目の写真と葉の大きさを比べるとその違いは一目瞭然ですね! 北岳のフジアザミの葉の大きさは格別でした。
フジアザミは葉や花に刺はありますが、葉の成長過程の早い時期や蕾の状態ではまだ刺が柔らかく刺さらないので触れることができます。花の香りが良いこととともに葉の大きさ・形など、その土地・地域による違いを確かめてみるのも楽しみの一つだと思います。
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))
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