「あの木は何じゃ?」
「ナンジャモンジャじゃ」
冗談のような会話ですが、このような会話で名前がついた木があるというのです。
「ナンジャモンジャ」とは、実は珍しい木に対してつけられる愛称です。そのため、全国を見渡してみると、いろいろな木が「ナンジャモンジャ」と呼ばれているのです。
たとえば、神奈川県横浜市の長光寺にあるクロガネモチや、福岡県朝倉市の古塔塚のタブノキなどがそれにあたります。
ただし、「ナンジャモンジャ」といわれる木は、多くの場合「ヒトツバタゴ」といわれています。
ヒトツバタゴは、モクセイ科ヒトツバタゴ属の落葉広葉樹で、成長すると樹高が20メートルに達するものもあるという高木です。トネリコに似ていますが、葉がトネリコのように複葉ではなく、単葉であることで見分けることができます。5月頃には、白い花をたくさん咲かせることでも知られています。その姿は「雪に覆われているように美しい」といわれているほどです。
ヒトツバダゴは環境省の絶滅のおそれがある動植物のリストであるレッドリストにも指定されています。また、長崎県対馬や岐阜県東濃地方の木曽川沿い、愛知県など、ヒトツバダゴの自生地の多くは天然記念物に指定されています。
限られた地域でしか目にすることがない、珍しい木であったため、人にあまり知られていません。そのため、「あの木は何じゃ?」「あれは、ナンジャモンジャじゃ」ということになったというのが、名前の由来の一説となっているのです(諸説あります)。
これからの季節、公園などでも、白い花をたくさん咲かせているナンジャモンジャを見ることができるかもしれません。散歩の際など、ぜひ見回してみてください。
エバーグリーン編集部オススメサイト
- 「ナンジャモンジャ」の名前の由来はこの木からといわれています。
- 松山市指定の天然記念物になっています。
松山市 東雲神社にある「ナンジャモンジャの木」(鐘馗(しょうき)さんと名城めぐり&好古揮毫石碑紀行)
- 別の名前の由来も紹介されています。
知立神社の「なんじゃもんじゃ」の木(南陽動物病院スタッフのブログ)
- 前の記事を読む(子どもの日に菖蒲湯に入る訳は?)
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