今回は、花が咲くと木全体が白く覆われる「ヤマボウシ」を紹介します。ミズキ科サンシュユ属の落葉小高木〜高木で、本州から四国、九州に分布します。写真のように横枝は水平に広がるのが特徴で、枝先にふつう1対の葉が対生します。
下の写真の大きくて白い部分は花片ではなく「総苞」と呼ばれるものです。
総苞は4枚あり、長さ3〜8cmほどの卵形、長楕円状卵形をしており先が尖っています。
花は6〜7月に開きますが、花片は上の写真の白い総苞片の中央にある緑色の密集した塊の粒状に見える一個一個にそれぞれ4枚あります。天眼鏡などで観察してみてください。
9〜10月、この写真のように赤く熟します。食用ですがスズメバチ等も好んで食べますので、蜂を見かけたら近づかないようにしましょう!
街路樹などで見られる同じ種類のハナミズキ(外来種:アメリカヤマボウシ)は、4〜5月に先駆けて咲きます。白い花はヤマボウシとそっくりですが、総苞片の先端がハ-ト型(もしくは裂け目がある)をしているので見分けられます。なお、ハナミズキの実は小振りで堅く食用にはなりません。
「ヤマボウシ」の実は甘みが抑えられた上品な味がします。ジャムやヤマボウシ酒などにも利用されていますが、自然のなかで、じかに味わうのも格別ですよ! 自然の持つ癒しを味覚でも体験して見てください。
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))
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