ツブラジイ

シイ属 ツブラジイ
学名： Castanopsis cuspidata

〔基本情報〕高さ20m、径1mに達する常緑高木。
樹皮に割れ目はないか、あっても浅くまばらに割れます。
枝がよく分枝して大きなまるい樹冠をつくります。
若い枝にはまばらに毛がはえます。
葉は互生する単葉で、長さ5～10cmの楕円状卵形～披針形です。
葉の縁は全縁か波状の鋸歯が少数あります。
葉の表面は深緑色、裏面は銀色をおびた褐色です。
花には雄花と雌花があります。
雄花は、新しい枝の下部の鱗片葉や葉の腋に直立する長さ8～10cmの穂状花序に多数つき、淡い黄色で独特の匂いを発して、多くの昆虫を集めます。
雌花序は新しい枝の葉腋に直立して、長さ8cmほどです。
果実は長さ6～13mmで卵状球形～球形の堅果（いわゆるドングリ）で、鱗状の突起がある殻斗（総苞）に包まれます。
果実は翌年の秋に熟します。

〔利用〕材は薪炭材やしいたけ栽培のほだ木に利用されます。
果実はアクがなく、そのまま食べられます。

〔栽培〕増殖は実生によります。
乾燥させると発芽率が極端に落ちるので、とりまきとするか、乾燥しないように貯蔵します。
寒冷地での植栽は不向きです。
日向～半日陰で育ち、やや湿った場所で水はけのよい土を好みます。
栽培は容易です。
施肥は特に必要ありませんが、油かすを寒肥として与えると生育がよくなります。
病虫害としてはうどんこ病、カミキリムシの幼虫（テッポウムシ）などがあります。

〔備考〕スダジイによく似ていて、樹皮の割れ方、葉の大きさ、果実の形や大きさで見分けますが、中間的なものもあり難しいです。