植物図鑑
シナモンマートル
Backhousia属
シナモンマートル
学名:
Backhousia myrtifolia
〔基本情報〕
常緑の低木または小高木で、原産地では熱帯雨林の林縁や渓谷・流れの縁、乾燥して石の多い丘陵地などに生育しています。
ふつう高さ7mほどですが、30mに達することもあるといいます。
大木ではときに根元が板根状になります。
若い枝には毛がはえます。
葉は対生する単葉で、長さ2.5~7cm、幅1~2.5cmの卵形~披針形となり、先がとがり、濃い緑色で光沢があります。
葉の縁は全縁です。
葉にはシナモンのような香りがあります。
葉腋から出る集散花序または枝先から出る円錐花序に径1.5~2cmの花をつけます。
花は白~クリーム色の4弁花ですが、花弁は早くに落ち、多数の長い雄しべと萼がめだちます。
萼は星形に5裂して黄緑色、果実期まで長く残ります。
果実は蒴果です。
〔利用〕
葉をハーブティーや薬用として利用するほか、料理の香りづけにも用いられます。
葉から精油が得られます。
また、葉はすり潰して皮膚に塗り、虫除けとして利用できます。
材はかたく耐久性があり、工具の柄や建築材などに用いられます。
〔栽培〕
増殖はおもに挿木(半熟枝挿し)によります。
実生も可能で、気温13~15℃のころに播き、覆土はせずに発芽まで乾燥しないように底面給水します。
霜が降りない暖地では戸外越冬可能です。
寒冷地では冬は室内の日当たりのよい場所に取り込みます。
日当たりと水はけがよく、肥沃で湿り気のある土壌を好みます。
霜と強い乾燥を嫌います。
冬の乾いた寒風があたる場所は避けます。
水やりは水切れしないよう注意し、鉢植えや、地植えでも植えつけ後2年未満の株は、春~秋は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、冬は乾かし気味に管理します。
地植えで根づいた株は夏に晴天が続いて乾燥しないかぎり降雨にまかせます。
施肥は春から秋の生育期間中に緩効性化成肥料を置き肥します。
病虫害は特にありません。