カラスビシャク

ハンゲ属 カラスビシャク
学名： Pinellia ternata

〔基本情報〕
畑などでふつうにみられる高さ20～40cmの多年草。
地下に径1cmで扁球形の球茎があります。
葉は1～2個根生し、3小葉からなり、小葉は長さ3～12cmの長楕円形～狭卵形となります。
葉の縁は全縁です。
短い葉柄があります。
葉柄に珠芽（むかご）がつきます。
花柄の先端に肉穂花序をつけます。
花序の先につく付属体は長さ6～10cmで、糸状に直立します。
肉穂花序は緑色～紫色を帯びた仏炎苞に包まれます。
花には雄花と雌花があり、花弁はなく、肉穂花序の上部に雄花群、下部の苞と合着した部分の片側に雌花群がつきます。
果実は緑色の液果です。

〔利用〕
球茎を乾燥したものを半夏といい薬用にします。

〔栽培〕
増殖は実生、珠芽（むかご）により、分球も可能です。
実生の場合は完熟した果実を水洗いして果肉を取り除き、取り播きとします。
日向～半日陰で水はけがよく、湿った肥沃な土壌を好みます。
水やりは、鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、地植えの場合は降雨にまかせます。
肥料は控えめでよく、元肥を施せば特に必要ありませんが、鉢植えの場合は春に有機質の肥料を少量置き肥してもよいです。
病虫害としてはスズメガの幼虫があります。