ハッカクレン

Dysosma属 ハッカクレン
学名： Dysosma pleiantha

〔基本情報〕
原産地では山地の林内や渓谷沿いでみられる高さ20～60cmの多年草。
横に這う地下茎をもちます。
全体に無毛です。
茎は単生して、直立します。
茎先に2枚の葉が対生し、葉は径16～33cmで浅く5～9裂し、裂片は広三角形～三角状卵形です。
葉の表面には光沢があります。
葉の縁には細かい刺状の鋸歯があります。
葉柄は葉に楯状につき、長さ10～28cmです。
葉柄の分岐部分から偽散形花序を出し、5～8個の花が下垂します。
花は暗紫色～紫紅色の6～9弁花で、花弁は長さ3～4cmの倒卵形～楕円形です。
雄しべは花弁と同数あり、鎌状に曲がり、花糸が扁平です。
萼は長さ1～2cmで、早落性です。
花柄は長さ2～4cmです。
果実は長さ3cm、径2cmほどの楕円形の液果で、紫黒色に熟します。

〔利用〕
根茎は有毒ですが、毒蛇咬傷などの薬用とします。

〔栽培〕
増殖は実生、株分け、根伏せによります。
実生の場合はとりまきとします。
半日陰～日陰で水はけがよく、適度に湿り気のある肥沃な土壌を好みます。
水はけの悪い土壌では根腐れを起こしやすいです。
凍結や遅霜にあわないよう霜よけなどが必要です。
乾燥を嫌うので、水やりは毎日行うとよいです。
肥料もかなり必要で、春の出葉後と開花後、秋に緩効性化成肥料を置き肥します。
種を採らない場合は、花がらを早めに摘みます。
病虫害としてはナメクジ、ヨトウムシがあります。