植物図鑑
ボダイジュ
シナノキ属
ボダイジュ
学名:
Tilia miqueliana
〔基本情報〕
高さ10m、大きいものでは20mになる落葉小高木または高木。
樹形は卵形です。
樹皮はやや縦に裂けます。
枝には黄色~茶色の毛がはえます。
葉はジグザグに2列互生する単葉で、長さ5~12cm、幅4~9.5cmの左右非対称のゆがんだ三角状広卵形となり、葉先は尾状に伸びてとがります。
葉の裏面には灰色~灰色がかった黄色の星状毛が密にはえ、白っぽく見えます。
葉の縁にはやや粗い鋸歯があります。
葉柄は長さ3~4cmで、毛があります。
花は葉腋から垂れ下がった細い花柄に集散状に3~12個つき、黄白色の5弁花です。
花序には長さ8~12cm、幅1.5~2.5cmでへら形の苞がつきます。
花には香りがあります。
果実は径7~8mmほどの卵円形です。
〔来歴〕
仏教伝来のころ日本に伝わりお寺などに多く植えられています。
〔栽培〕
増殖は実生によります。
熟した果実を採り、果皮を取り除いてとりまきにするか、乾かないよう湿らせた砂などに入れて密閉し冷暗所で保存して翌春に播きます。
種子は休眠性が強いので発芽までに1~3年かかります。
苗木のうちは耐陰性があり、単植よりは3本束植えや寄せ植えなど密植状態で数年育てるのがよいです。
やや冷涼な気候を好み、高温多湿を嫌います。
日当たりと水はけ、風通しのよい肥沃な土壌を好みます。
環境があえば大木となるので広いスペースが必要です。
水やりは成木では降雨にまかせますが、夏に乾燥して水切れすると早くに落葉します。
施肥は元肥を施せば特に必要ありません。
病虫害としてはすす病、アブラムシなどがあります。
〔備考〕
釈迦がその下で悟りを開いた木である菩提樹は、クワ科のインドボダイジュです。
インドボダイジュは熱帯産で、中国での生育に適さなかったため葉の形が似ているボダイジュを代用としたとされます。