こんにちは。エバーグリーン編集部の愛垣です。
スギと共に花粉症の元凶といわれるヒノキ。悩まされている方は多いではないでしょうか?
花粉症が広がるにつれ悪者にされているヒノキ(ヒノキ科ヒノキ属)ですが、建材としての質は、世界でも最高レベルだといわれています。
理由は、築後1,000年以上経っても、伐採当時と同じ程度の強度を維持できるといわれているから。また、防腐・防虫効果が高く、シロアリなどを寄せ付けないため、建材のみならずタンスやまな板などにも多く利用されています。さらに、香りが高く、伐採から1000年以上経っても、削ると良い香りを楽しむことができるそうです。
ヒノキは、古くは貴族の娯楽だった能や狂言の舞台にも使われています。しかし、庶民の娯楽として歌舞伎が登場し、多くの芝居小屋が建てられるようになった江戸時代には、ヒノキが使用された舞台は、大劇場に限られていたといいます。なぜなら、建材として重宝されていたヒノキは、当時その多くが大規模な寺社仏閣建立に使用されてしまったことで、品薄になり、それに伴い価格も跳ね上がったためです。
そのため、高価なヒノキを使って建てられた劇場は「一流の芸を見せる場所。一流の劇場」とされ、ヒノキの舞台を踏むことは出演者にとって非常に名誉なことと考えられるようになっていったようです。そこで生まれた言葉が「ひのき舞台」。つまり「ひのき舞台を踏む」とは「大舞台に出演する」という意味になるのです。
熊本県山鹿市で、国指定重要文化財となっている芝居小屋八千代座は、大部分がスギを使い建てられていますが、舞台の一部にはヒノキが使われています。これにより、八千代座はひのき舞台であり、八千代座の舞台を踏むことは名誉とされ、地方都市でありながら一流の芸能を市民が楽しむことができる一助となりました。
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