冬の寒さで、花が咲く植物が少なくなってきましたが、園芸店の店頭には、かわいい花を咲かせるキンセンカ、デージー、ガザニアなど寒さに強いキク科の植物や、寄せ植えの脇役によく使われているシルバーレースやシロタエギクなどシルバーリーフなどが並んでいます。
さて、今回、皆さんに紹介したい植物は「ペリカリス」です。
ペリカリス(学名:Pericaris×hybrid)は、キク科ペリカリス属の植物で、木立性シネラリアという名前もあります。では、なぜ木立性シネラリアを呼ばれているか? 下の写真を見てください。
ちょっと見ただけで、どこが違うかおわかりですよね!?ペリカリスは、草丈が高く、40㎝~60㎝まで伸びる茎の先に、いっぱい花を付けます。高さもボリューム感もありますね!
一方、シネラリアは、株は20㎝くらいの高さで、コンパクトでこんもりと花を密かに咲かせます。では、この二つの植物の間には、いったいどういう関係があるのでしょうか。実は、ペリカリスは、品種改良されたシネラリアに野生種と交配して作ったものなのです。とはいえ、どちらも開花期間が長くて、12月から翌年の5月にかけて、ピンク、青、紫などパステルカラーのたくさんの花を咲かせます。
こちらは最近出回っているペリカリス‘セネッティ’という品種です。花数が多くて、非常に豪華な感じがしますね。
ペリカリスは、冬には日当たりのいいところで育ちます。屋外では霜の当たらない場所、室内では暖房の効いてない涼しい場所がおすすめです。ただし、屋外では、気温が15℃以下に下がると、花が少なくなります。寒さによるダメージをできるだけ最小限にするためには、株の1/3まで切り戻しすると、株が長持ちして、春にはまた花が次から次へと咲き続けます。
(千葉大学 任倩玉)
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