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2022年9月25日

[ヤツガシラ]古今東西 ご神木巡礼 その46〜目黒区大鳥神社の御神木とヤツガシラ|サトイモ科サトイモ属|エバーグリーン

秋が深まり、冬が目前になるとあの御酉さまのシーズン

今回は、江戸時代から続く酉(とり)の市で有名な東京都目黒区の大鳥神社を紹介します。なんと、こちらの神社は平安時代に創建され、千二百年余の歴史があるそうです。

御神木は、「またイチョウ?」と言われてしまいますが、御神木とされているイチョウは拝殿脇にあり、昭和20年の東京大空襲で被災。内部は炭化し樹皮も半分ほど焼失しましたが、現在は樹勢が回復し、根が年々太くなっているとか。

大鳥神社

大鳥神社

御神木の説明 安全面から、高さ10メートルほどで伐採されます。

御神木の説明
安全面から、高さ10メートルほどで伐採されます。

 

絵馬にヤツガシラ!?

境内の絵馬にヤツガシラが描かれていました。これってどうして? 調べてみると、神事では御神前にヤツガシラが奉られるそうです。これは、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征のとき、八族の各頭目を平定したことを意味し、ヤツガシラは人の頭に立つように出世できるという縁起に結び付いているそうです。また、神事ではこのヤツガシラと共に熊手を飾りますが、これは当時は武器としても使われた熊手をかき集め、火を防ぎ、向火(むかえび)をもって賊を平らげ、九死に一生を得たことを偲ぶためだとされています。

絵馬に描かれているヤツガシラ

絵馬に描かれているヤツガシラ

ヤツガシラはサトイモの一種

ヤツガシラはサトイモの一種

 

鳥明神と称された目黒区最古の大鳥神社とは…

日本武尊が立ち寄り、東夷を平定する祈願と部下の「目の病」の治癒を祈願。その願いが叶い部下の目の病も治ったことから盲神(めくらがみ)と称え、十握剣(とつかのつるぎ)を奉納。この剣が天武雲剣(あめのたけぐものつるぎ)として、社宝となっています。

また、日本武尊が亡くなった後、白鳥となって大和を指して飛んで行ったことは、『日本書紀』『古事記』などにも記述されており、またそれは白鳥伝説としても知られ、社伝にも「尊の霊(みたま)が当地に白鳥としてあらわれ給い、鳥明神(とりみょうじん)として祀る」とされていました。さらに、最古の神社としては、江戸図として最も古いとされている長禄の江戸図(室町時代)にも鳥明神の記載があり、江戸九社の一つにも数えられています。

大同元年(西暦806年)に社殿が造営。鳳凰紋が描かれています

大同元年(西暦806年)に社殿が造営。鳳凰紋が描かれています

由緒など

由緒など

 

知っておきたい酉の市の由来

目黒区の大鳥神社の酉の市の起源は、浅草の酉の市と並び江戸時代から知られていたのだとか。大鳥神社の社名「おおとり」は「大取」に通じ、宝物を大きく取り込むという商売繁盛開運招福の神様として多くの人々の信仰を集めてきたとされています。もちろん、酉の市で欠かせない「熊手」は通称「かっこめ」とも呼ばれ、火を防いだとされ火難除け、火事除けの縁起が託されると同時に、落ち葉などを集める道具であることから、金運、幸運を引き寄せられるとされています。

また、多くの酉の市ではヤツガシラを頭の芋(とうのいも)とも呼び、立身出世や子宝の願いが託され売られているほか、サンショウが香る切山椒や餅米五分、粟五分の割合で作った金色に輝く小判に似た黄金餅なども売られます。年内の締めくくりに酉の市に行かれるのもいいでしょう。

 

エバーグリーン編集部オススメサイト

 

  • 『大鳥神社』:東京都目黒区下目黒3-1-2

 

(日本園芸文化協会会員 藤依里子)


ヤツガシラはサトイモの一種