今回は、中国原産ながら日本ではすでにポピュラーな「モッコウバラ」を紹介します。日本名:モッコウバラは、漢字の「木香薔薇」の音読みに由来しています。バラ科バラ属のつる性常緑低木草で、江戸時代(1720年頃)に渡来したといわれています。
モッコウバラは一般的に人家の庭に植えられていることが多いですが、山梨県内では写真のように、玄関上や垣根に這わせてあるのをよく見かけます。ほとんどが黄色の八重咲きで、筆者は黄色の一重や白花を見かけることがありません。
桜(ソメイヨシノ)が散る頃、蕾が膨らみ始め(3枚目の写真)、4月中旬頃になると蕾が黄色味を帯びて花が開き出します(4枚目の写真)。4月下旬には満開を迎え、ゴールデンウィークが終わる頃まで咲いています。正に、春を象徴する樹(花)ですね!
成長が早く、約10年で玄関上にアーチができるほどです(1枚目の写真参照)。特に側枝は一年に1m以上も延びます。それも四方八方へ伸びるので毎年の手入れは欠かせません。
森林セラピーでも蕾が膨らんだ頃から満開時期まで利用することがあります。普通のバラと違って棘がないので、安心して花・葉・枝などに触れ、香りを嗅ぐことができます。“黄色の八重咲きは臭いがない”といわれるがありますが、微かに甘い香りを放っています。蜂・蟻・虫などが花に群がって来ますので、まちがいないでしょう。白花に比べると芳香は弱いですが、これまでの数十人の森林セラピー体験者全員が『甘い香りがする』『この香りは好き!』などと感想を述べていました。また、『花の形はバラなのに棘がなく、つる状の幹や葉や花の手触りなどがおもしろい』などの意見もありました。
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))