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2021年3月19日

[アズマイチゲ]初夏には姿を消す春植物のアズマイチゲ|キンポウゲ科イチリンソウ属|エバーグリーン

典型的な春の植物「アズマイチゲ」を紹介します。別名「シラゲウラベニイチゲ」といいます。キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草で、落葉樹林の林縁、林床や草地などに生えます。石灰岩地を好み、北海道から九州まで広く分布します。

御坂黒岳のアズマイチゲ(5月下旬)

御坂黒岳のアズマイチゲ(5月下旬)

 

根出葉は写真のように2回3出複葉で、小葉は3出状に分裂します。花茎は高さが15〜20cmあって長く柔らかい毛が付きます。茎葉は3枚輪生し柄の付いた3出複葉で、小葉は鋸歯があっても切り込みはあまり深くなく、柔らかいので垂れ下がる感じです。花期は3月下旬~5月下旬頃で、直径2〜3cmの花が1個、花茎の頂部に咲きます。萼片は8〜13枚で線形長楕円形の白色ですが、基部と裏面は少し紫色を帯びています。

次の写真は、同じ仲間の「キクザキイチゲ」です。葉の違いが最もわかりやすいでしょう。御坂黒岳にも自生していますが、春の丹沢山系と箱根山でよく見られます。アズマイチゲなどこれらの仲間は、早春に葉や茎が現れ初夏には姿を消します。

蛭ヶ岳・神奈川県の白いキクザキイチゲ

蛭ヶ岳・神奈川県の白いキクザキイチゲ

姥ヶ岳・福井県の青紫のキクザキイチゲ(4月中旬)

姥ヶ岳・福井県の青紫のキクザキイチゲ(4月中旬)

 

アズマイチゲとの出あいは数年前の御坂黒岳でした。たまたまキクザキイチゲも近くにあったのでこの野草の名前を知ることになりました。森林セラピーで利用できるかどうか五感を使って確認する習慣で、葉や茎の硬さや手触りの違いから「花は似ているが葉っぱの硬さだけでなく葉の形や向きなどがまったく違う」ことなどがわかり、図鑑などで調べるきっかけをくれました。

アズマイチゲは触覚がおもしろいです。ソフトタッチの茎(小)葉や柔らかく長い毛の付いた花茎の手触りに癒やされるでしょう。淡い花の香りもわかるでしょうか。 花茎の長い毛は触れると落ちてしまいます。6月には葉も茎も枯れてしまいますので、ダメージを与えないようにそーっと触れてみてはいかがでしょう? 新しい発見があるかも知れませんよ。

 

山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))


 

御坂黒岳のアズマイチゲ(5月下旬)