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2020年8月11日

[イチョウ]古今東西 ご神木巡礼 番外編〜瀧泉寺前のワケあり銀杏樹|イチョウ科イチョウ属|エバーグリーン

今回は、ご神木というよりもワケありのイチョウをご紹介します。瀧泉寺というお寺のまえにあるので、ご神木といえばご神木かも知れませんが……。

 

イチョウのいわれがちゃんとある!

瀧泉寺のイチョウ

瀧泉寺のイチョウ

 

ご神木のイチョウは数あれど、銀杏樹由来の碑が建てられているイチョウは筆者は初めてかもしれません。なんでもこのイチョウは上総介広常(かずさひろつね)が植えたとされています。大河ドラマ「平清盛」にも登場していたとされているのですが、歴史に弱い筆者ですのでまずは広常についてから調べてみることにしました。

広常は平安時代末期の武将、豪族で、上総権介平常澄の八男(嫡男)であり、源頼朝の平家打倒に貢献していますが、広常の横柄な態度が頼朝の信頼を損ね、後に暗殺されたのだとか……。そんな広常がなぜこの地にイチョウを植えたのか。それは、名熊地区に建立された瀧泉寺を広常が名熊の殿台に城を築城した際に、鬼門除けとして現在地に移したからだとされています。そしてその際、広常自身が植えたとされているのです。とはいえ、広常が植えたとなると、このイチョウの樹齢は800年以上なので相当のものですね! そのためか根の張りもすばらしいです。

銀杏樹由来碑

銀杏樹由来碑

樹齢を物語る根

樹齢を物語る根

 

瀧泉寺について

瀧泉寺といえば東京都目黒区下目黒にある通称『目黒不動(目黒不動尊)』が知られていますが、実は同名のお寺は日本各地にあります。これは、瀧泉寺という名称が仏教寺院の名称のひとつになっているからです。

ちなみに、いすみ市の瀧泉寺の本尊は地蔵菩薩であり、調べてみると寺名の由来は背後の山に枯れない泉が瀧(たき)となって流れていたことによるのだそうです。そのため、ネットなどで調べていると、龍、竜の文字が当てられていることもありますが、お寺のほうにも問い合わせてみたところサンズイがつく難しいほうの『瀧』が正しいとのことでした。

瀧泉寺

瀧泉寺(上下ともに)

瀧泉寺(上下ともに)

 

今回は瀧泉寺の歴史的な名木をご紹介しました。樹に歴史あり……まさにそんなイチョウです。もっともイチョウに限らず、植物のなかには人間の寿命よりはるかに長い年月、その地に根をおろしているものも少なくありません。もし、長い年月を生き抜いた樹々と会話ができるなら、過去の多くの感染症の話なども聞けるのかも知れませんね。

 

所在地:千葉県いすみ市大原1987
(グリーンアドバイザー、開運植物文様研究家 藤依里子)


 

瀧泉寺のイチョウ