今回はあまり馴染のない「イワベンケイ」を紹介します。
ベンケイソウ科イワベンケイ属の多年草で、北海道と本州の中部以北、ユ-ラシアと北アメリカ東部の高山から亜寒帯に分布します。
高山などの写真のような砂礫地に生えます。雌雄異株が、特徴の一つです。多肉質の葉が最大の特徴で、水分を貯蔵するためのようです。長さ1〜4cm、幅6〜20mmの長円形(卵形、倒卵形、倒被針形)をしています。上2枚の写真のように、花茎高さ10〜30cm程度で束生するように生えるものが多く、下の2枚のような疎らなのは珍しいです。
花期は7〜8月です。鮮やかで目立つ黄色は雄株で、一方雌株は赤褐色になり見分けられます。ほかに草木のない砂礫地に生えるので、必ず目にとまるでしょう!(写真は、すべて「北岳」で撮ったものです)
「イワベンケイ」に最初に出あったときは、植物にはまったく興味を持っていなかった頃でもあり、「何だ、これは?」「このような草花があるのか!」というショックにも似た感覚を持ったのと、この「イワベンケイ」の香りがバラに似ていると感じたことを今でも思い出します。それと、花や葉っぱに触れた際の指先の感触が新鮮でした。
みなさんも、一度厳しい自然界で懸命に生きる「イワベンケイ」と出あえる機会を作ってみてはいかがでしょうか?自然の不思議が、また一つ発見できるかも知れません!
(山梨市森林セラピー推進協議会 森林セラピスト / 四十物治夫(あいものはるお))
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